07年はとうとう5位に転落!

でも、財政赤字なのにどうしてODAするの?

2008.05.15 THU



写真提供/時事通信
政府や政府機関によって支出される国際的な援助が、政府開発援助、いわゆるODA。1991年、日本は金額で世界首位になった。だが2007年は、5位にまで転落。財政再建中の日本、それもいたしかたあるまい、と思う人も多いかもしれないが、実はそんな簡単に済む話ではなさそうなのだ。日本は世界に逆行しているのである。

ODAというと、先進国による開発途上国への一方的な支援のようなイメージがあるが、必ずしもそうではない。日本からの援助は、やがて日本の利益にもつながるからだ。例えば、空港や港湾などが整備されれば、その国への貿易をしやすくなるし、感謝されれば市場の開拓にも取り組みやすくなる。実はもともと冷戦時代に共産主義勢力に対抗するために生まれたともいわれているのがODA。多分に、相手国への戦略的な援助の意味合いがあるのだ。

さらにいえば、今世界的な問題となっているテロリズム問題や環境問題にもつながる。貧困をなくすことは、先進国を脅かすテロリズム根絶の有効な手段と考えられているのだ。また、発展途上国を豊かにすることは、先進国にとって課題でもある環境保全も相手国に意識させられる。

もちろん直接的な利益だけでなく、貧困や飢餓の撲滅、乳幼児死亡率の削減や感染症防止などは、地球人として取り組むべき当然のテーマ。そこでアメリカはじめ先進国は、ODAの増額に動いてきた。ところが、日本だけがODA予算を年々縮小。97年のピーク時から、なんと10年間で38%も減少させてしまったのである。もちろん戦略的な支援も含めて。

00年まではアフリカの7カ国で最大の援助国だった日本。だが、04年は0カ国。世界的な価格高騰が進む金属資源を豊富に持つアフリカ。世界が支援の目を向けているのはいうまでもない。たしかに財政再建のために予算削減も重要。だが、ODAがその削減の真っ先に来るべきものなのかどうか。よく考えてみる必要がある。


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