妊婦健診から医療費、教育費まで

“子ども格差”の時代が到来!?

2008.05.15 THU



写真提供/AFLO
格差社会の影響を一番受けているのは、子どもかもしれない。生まれたときから、いや生まれる前から、子どもは格差の厳しい現実にさらされている。

たとえば、地域間格差。妊婦健診への公的助成の回数は自治体によって大きな差がある。もっとも多い東京都23区の大半が14回分なのに対し、少ない自治体では5回分しか助成されない。それも、厚生労働省が「少なくとも5回程度は公費負担が原則」と通知を出したことで、今年4月から5回に引き上げる自治体が相次いでいるが、さらに上乗せしているところもあるのだ。

子どもの医療費も、小学校に入るまで助成する自治体もあれば、中学校卒業までのところもある。親にしてみれば「どこで産むか」によって、出産・育児にかかる費用は大きく違ってくる。

そして、子どもの格差を決定的にするのが教育費だ。実は、先進国の中で日本は教育に対して公的にもっともおカネをかけない国の一つだ(ランキング参照)。教育費の負担は、家庭に重くのしかかることになる。幼稚園から高校までの15年間、すべて公立に通っても571万円の教育費がかかる。すべて私立となれば、それが1680万円にも跳ね上がる。その差はなんと約3倍だ(文部科学省「子どもの学習調査」)。

さらに国立大学に自宅通学で4年間通えば合計418万円で済むが、アパートを借りて私立大学に通うと、4年間で989万円かかる(日本学生支援機構「学生生活調査」)。こうした学費負担は、結果的に親の収入の違いによる大学進学率の格差をもたらしている。

受験に湯水のごとくおカネを注ぎ込み小学校から私立に通わせる家庭もあれば、経済的理由から大学進学を断念せざるをえない家庭もある。教育の機会不平等が、子どもの将来格差を生み出し、その格差がまた世代を超えて継承されていく。その現実を直視する必要がある。


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