日銀総裁人事でにわかに注目

なんで「国会同意人事」は衆参両院の賛成が必要なの?

2008.05.22 THU



写真提供/時事
日銀総裁などの「国会同意人事」に衆議院の優越性を認めるべきという声が与党内で強くなっている。ふつうの法案なら、衆院が可決したものを参議院が否決しても衆院は3分の2以上の賛成で再可決することができる。また予算案なら、衆参両院が違う議決をしても衆院の議決が優先される。これが憲法で定められた衆院の優越性だけど、しかし、「国会同意人事」は衆参両院の同意が必要で、どちらかが不同意なら人事は白紙に戻されてしまう。実際、日銀総裁人事では政府が提示した4人の候補が参院で不同意となり、副総裁ポストのひとつはいまも空席のまま。そのため与党では、「国会同意人事」も法案と同じように衆院優越の規定を加えられないかと検討をはじめたのだという。

でもなんで「国会同意人事」は両院の同意が必要なのか。内閣府によると、「国会同意人事」の対象は「○○委員会」とか「○○審査会」といった名前がついた35機関・231人。日銀の正副総裁をはじめ、公正取引委員会委員長や会計検査院検査官、国家公安委員会委員などがその代表で、こうした行政機関・公的機関の一部人事は、憲法ではなくそれぞれの設置法で国会の同意が必要と定められている。その理由は、どの機関も国の重要政策と直結し、国民みんなの生活に与える影響がすごく大きいから。そこでそれぞれの仕事内容を考え、これまでの活動ぶりや、業界との利害関係がないか、そもそもふさわしい人かどうかを国会できちんと判断することにしたのである。

もともと「国会同意人事」は、長いあいだずっと政府・与党の考えどおりにおこなわれてきた。いわば形骸化してしまっていたのだが、それが参院で与野党が逆転する「ねじれ国会」によって、ようやく本来の機能をとり戻したというわけだ。とはいえ、日銀総裁選びの経緯をみると「国会同意人事」が政局の道具になっている部分も少なくない。その主旨を思えば、ここはやっぱり国民みんなのために人事をおこない、今後のあり方を考えてほしいと思うのだ。


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