日本も導入を目指している!?

世界に広がる「国際連帯税」っていったいどんな税金?

2008.05.22 THU



写真提供/Hiroshi Watanabe/AFLO
7月の北海道洞爺湖サミットをまえに、日本の政界でびっくりするような動きが始まった。最近、「国際連帯税」という新しい税の導入を目指す超党派の議員連盟が設立されたのだが、驚いたのは、自民党や民主党はもちろん、共産党の議員までもがこの議連に参加していること。なにしろ共産党といえば、消費税をはじめ、これまで新税のたぐいには必ず反対を表明してきたはず。その共産党の議員も導入に賛成というのだから、この「国際連帯税」、ちょっと気になってしまうのだ。

いったい「国際連帯税」というのはなんなのか。ひとことでいえば、これは国際的な通貨取引や国際線の航空券に低率の課税をし、途上国の貧困対策などの財源にする仕組みのこと。もともとは1970年代、米国のトービン博士というノーベル賞経済学者が、「経済のグローバル化によって恩恵を受けている多国籍企業の取引に課税をすれば、貧困問題の大半は解消できる」と提唱したもので、別名「トービン税」とも呼ばれる。

つまり、税金というよりはむしろ途上国援助であり、国際貢献。実際、この動きは世界に広がっていて、導入を表明している国は28カ国に及ぶ。たとえば、イタリアでは昨年国会に法案が提出され、英国でも超党派の議連が政府に導入を要請。フランスにいたっては航空券に課税するかたちですでに国際連帯税を導入。その税収総額は年間約2億ユーロ(約312億円)に達し、この税収だけでもアフリカのエイズウィルス感染者130万人の治療が可能だという。

もっとも日本の場合、ただでさえ国民世論が税金問題にナーバスなうえ、この秋には消費税率の引き上げ議論も控えているだけに、新税の導入は簡単にはいかない。ただ、小泉改革以降、ODA(政府開発援助)予算が削減され続けたために、いまや90年代に世界一だった日本のODAは実績ベースで米国や英国にも抜かれてしまっている。日本の国際貢献の姿勢が問われているときだからこそ、「国際連帯税」について議論するのは必要なことなのかもしれない。


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