政治の混乱は今後も続く?

自民vs.民主対立激化政権争いのゆくえは?

2008.06.30 MON

ねじれ国会は、参議院の役割である法案のチェック機能が有効に働くなどのメリットがある。今国会でも、インド洋給油活動や、年金、ガソリン税の暫定税率などの問題が、いくつもあぶり出された。その是非についての議論が活発化したことを評価する声もある。

しかし、どれだけ議論が活発化しようとも、与党がその議論を反映させることなく元のままで再可決したり、野党が審議拒否したことで、肝心の国会で深く議論されなかったりと、むなしさが印象に残った。

ジャーナリストの田原総一朗氏は、先日までの国会を、次のように語る。

「今まで自民党は、ロクに審議もせずに、ちょっともめるとすぐに強行採決というやり方で法案を通してきました。それが、ねじれ国会になれば、きちんと審議せざるを得ない状況になると期待されたわけです。ところが民主党代表の小沢一郎さんが、選挙に勝つために徹底的なサボタージュ作戦をとったので審議が進展しなかった。本来ならば民主党が批判されるべきですが、衆議院で再可決をするたびに、マスコミも国民も、自民党を批判する。そのため、福田内閣の支持率が下がっている。なんと、小沢さんの作戦が成功しているのです」

また、政治評論家の有馬晴海氏は、そんな政治の状況を次のように分析する。

「今は、ケンカをして我が党こそが正しいんだ、と言い張るのが政治になってしまっている。議論をして国民のために何がいいか、っていうのを考えるのが政治でしょう。しかし、それでは、自分たちの正当性を国民にアピールできない。次の選挙のために、ねじれ国会を利用して明確な対立軸を打ち出すことで、『我が党こそが国民のために一生懸命なんだ』といういがみ合いになっているんです。今後もそうしたしわよせが、国民生活に影響を与える可能性はおおいにあるでしょう」

衆議院の任期は来年秋まで。もちろん、それより前の解散も十分にあり得る。いずれにせよ、あと1年強の間に衆議院選挙は確実に行われるため、与野党とも選挙を強く意識せざるを得ない。こうした状況のなかで国会が、目先の選挙に勝つためのアピールの場となってしまったために、ねじれが有効に作用せず、混乱を招いたともいえる。

政治アナリストの伊藤惇夫氏は、これから選挙までの期間を次のように捉える。

「与党も野党も次期総選挙で勝つことだけを考えて行動しています。どの政党が、より国民のためになる政策を実現しようとしているのかを、冷静に見極めることが大切です。選挙は、そのことをじっくり考える、いい機会なのです。総選挙を1回行うと、約800億円ぐらいの経費がかかります。これは有権者1人当たり約800円になります。このお金をできるだけ無駄にしないこと。棄権したら、私たちの支払った税金を800円もドブに捨てることと一緒ですから」

与野党の勢力が拮抗している今こそ、1票の重みが増すというもの。ねじれによって浮かび上がった様々な問題点を吟味して、誰に、どの政党に投票するのがいいのか、じっくり考えてみる必要があるようだ。

「過去、消費税導入と税率引き上げの直後に行われた選挙、どちらも自民党は大敗しています。ところが今回はあえて、消費税増税を掲げて責任政党ぶりをアピールし、勝負をかけようという動きまである。ものすごい話ですよね。今の政治は本当に面白いですよ」(有馬氏)

映画顔負けの権謀術数渦巻く永田町。政権交代が現実味を帯びてきた今、その動向から目を離してはいけない。


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