「石油」「食糧」の次はこれ!?

世界が危惧する「水問題」とは?

2008.07.10 THU



遠藤★貴也=写真photography TAKAYA ★ ENDO
「食糧危機」という言葉を最近やたらと耳にする。テレビをみれば食品の値上げのニュースをしょっちゅうやっているし、6月には国連食糧農業機関(FAO)が世界のトップを集めてローマで食糧サミットを開き、また、洞爺湖サミットでも食糧問題が大きなテーマになるといわれている。だが、この世界的な食糧危機の背後には、もうひとつ、べつの大きな問題が横たわっているのを知っているだろうか。それはズバリ、「水」をめぐる問題だ―。

じつはいま、人口の増加や新興国の近代化によって世界中で水不足が問題になっている。たとえば中国では、工業用水や生活用水の需要が高まって北京が水不足に悩まされているし、世界4位の面積を誇った湖、ウズベキスタンのアラル海の場合、綿花を栽培するために水を大量に使った結果、湖が干上がって淡水魚がほとんど全滅してしまった。2025年には世界人口の半分が水不足に直面するという国連の予測もあるのだ。

それはいっけん水の豊かな日本も例外じゃない。日本の食料自給率はわずか40%。当然、たくさんの食糧を海外からの輸入に頼っているわけだが、同時にそれは、食糧を生産するための水も輸入に頼っているということでもある。実際、小麦1キロをつくるために必要な水は2トン、牛肉100gなら7~10トン。牛丼一杯で考えても、牛が飲む水や牛の餌を育てる水、米をつくる水などを含めると、やはり2トンもの水が必要といわれている。食料自給率の低い日本は、穀物や牛肉などとともに、ものすごい量の水を輸入していることにもなる。もしその食糧を自国でつくったらどれくらいの水が必要か―。これを「バーチャルウオーター」という。

もっとも、日本が食糧を輸入しているのはおもに米国やオーストラリア、カナダ。こうした国ではまだ水不足が深刻化していないが、温暖化が進めば事態はもっと悪化するはず。「日本人は水と安全はタダだと思っている」。むかし、ある作家がこんなことを言っていたが、水がタダだなんて、もはや遠い過去の話になっているのだ。


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