約40年間続いてきたコメ政策

「減反政策」ってなんのためにあるの?

2008.07.10 THU



写真提供/AFLO
穀物価格の高騰をうけて、世界各地で食べものの争奪戦が繰り広げられている。こうした状況をみかねたのか、すこしまえ、町村官房長官がコメ政策についてこんな発言をして話題になった。「食料不足の国があるのに日本が減反しているのはもったいない」「国内の食料自給率を引き上げるためにも、減反政策をやめてコメを増産すべきだ」─。

この「減反」というのは、ひとことでいえばコメの過剰生産を防ぐ仕組みのこと。国内のすべての田んぼでコメをつくると価格が大幅に下落してしまい、農家の人たちがすごく困ってしまう。そこで、それを避けるためにみんなでコメの生産を調整しようというのが減反で、いわばカルテルだ。

なぜみんなでコメをつくると価格が下がるのか。その理由は、日本人の食生活の変化にあるといわれる。むかしは日本人の食べものといえばコメで、とくに戦後は食料不足もあって政府が農家からコメを高く買いあげていた。そのためコメの生産量は増加したが、一方で食生活も変わり、コメの消費量が減少。あまったコメが政府の倉庫に山積みされるようになったのだ。困った政府は1970年、コメの生産を政府の指示で調整する減反政策に踏みきり、以来、約40年、減反はずっと続いてきたのである。

それだけに町村発言には自民党内からも反発する声がすくなくない。「コメがあまっているのに廃止をしたら米価が暴落し、農村が壊滅する」というのだが、世界的にみると減反への逆風が吹いているのも事実。たとえば、EU(欧州連合)の場合、日本とはすこし違うが、食糧高騰をうけて減反政策の廃止案を加盟国に指示したくらいだ。

ただし、日本のコメの価格は急騰する国際相場のさらに3倍以上。そんな高いコメで外国米との国際競争に勝てるのかという見方もあり、減反をやめてコメを増産すれば世界の食料不足を解消できるとか、そんな単純な話でないのはたしかだろう。日本人にとってコメとは、なんだかんだいってもなにか特別なものらしいのだ。


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