消費税に関する議論が活発ですが…

増税に待ったをかける「上げ潮派」って何だ?

2008.08.28 THU



写真提供/AP Images
「10%だと計算しやすいんじゃね?」「16%が適正」「いっそ、20%にドーンと」等々、すでに増税路線の空気が漂う消費税論争。借金だらけの日本財政を立て直そうというのがその背景だが、消費税アップを主張する「増税派」に対し、増税に待ったをかけるのが「上げ潮派」だとか。彼らがどんな持論を展開しているのか、早稲田大学政治経済学術院の谷藤悦史教授に聞いてみた。

「アプローチは違いますが、両派とも目的は税収入を上げることです。『上げ潮派』は、まず景気を上昇させ、経済の成長を目指します。それによって、国全体の税収を上げることで、税率は同じままでも、収入の合計額を増やそうとしているのです」

と、ここでギモンが。上げ潮って、もともとどこからついた名前なの? 満ち潮で海面が上がった状態を指す言葉らしいけど。

そもそも「上げ潮派」の中心人物は、第1次安倍内閣で幹事長を務めた中川秀直氏。中川氏が上げ潮という言葉を公に使用したのは、2006年に出版された著書『上げ潮の時代』(講談社)だ。同書では、90年代初頭にアメリカのエコノミストたちが執筆した『The Rising Tide』という本のタイトルを訳したものが上げ潮の由来と記されている。実は、「Rising Tide」(上げ潮)は、歴代米大統領の演説ではよく使われていた言葉なのだ。

「ケネディ大統領は63年の1年間だけでこの言葉を8回も使用しています。うち2回で、A rising tide lifts all boats (上げ潮がすべてのボートを持ち上げる)というアメリカのことわざを引用し、経済成長の必要性を説きました」(ケネディ研究者の土田宏城西大学教授)

つまり、小泉元首相風にいえば、「上げ潮による経済成長なくして、財政再建なし」というわけだ。先日、政府としても事実上の景気後退宣言を行い、格差に揺れるニッポン社会。庶民としては、将来のためにも景気が下げ潮にならないことを祈るばかりです。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト