エチオピアのモカが飲めなくなる!?

コーヒー豆の輸入騒動で考える日本は食に神経質すぎる?

2008.09.11 THU



撮影協力/コーヒーの店ドゥー(03-3444-6609)
コーヒーの定番モカ。実はいま、モカが喫茶店のメニューから姿を消すかもといわれている。

発端は、7月にエチオピアが輸出したコーヒー生豆から、基準値を超えた殺虫剤成分が検出されたことだ。全日本コーヒー協会によれば、日本に出回るモカの99%はエチオピア産。だがそれ以降、輸入量は従来の10分の1に減っているという。ただし、日本以外の国では変わらず輸入が続いているのだそう。つまり、輸入量が大幅に減少しているのは日本だけなのだ。

ん? それって、日本が神経質すぎるってこと? 輸入食品の安全性確保について、厚生労働省・輸入食品安全対策室に聞いた。

「国内での販売等が目的の輸入食品は、食品衛生法との適合を確認します。海空港の検疫所に輸入届出が義務付けられ、審査後、必要に応じて残留農薬等の検査を行います。エチオピア産コーヒー生豆の場合、違反が続いたので輸入のつど検査をしています」

でも、今回のような事態が起こるというのは、モカに限らず各国で残留農薬の制度に違いがあるんですよね?

「はい。食品衛生法では、残留農薬について2006年に『ポジティブリスト制度』を導入。これは、欧米諸国でも実施されていますが、基準値は必ずしも一致しません」(同)

一方、「問題は、輸入食品に頼らざるを得ない日本の現状」と指摘するのは、東京大学大学院総合文化研究科の井上健教授だ。

「70年代以降、公害問題などをきっかけに、わが国にも食の安全性を強く意識する層が生まれました。国が輸入食品の安全性確保に本腰を入れるようになったのは、そうした少数派の根強い運動の成果でもあります。しかし、今回のモカが小麦だったら、報道されず黙認されていたかもしれません」

つまり、需要の高い食品ほど安全性の基準が低めに設定されかねない、と井上教授はいうのだ。今後も、食料自給率が心配な日本。その国で生きる私たちとしては、未来の食事情に相当な覚悟をしなくちゃいけないのでしょうか?


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