国際連盟の本部も置かれていた…

人口18万人のジュネーブに国際機関が集まる理由

2008.09.25 THU



写真提供/APImages
北京五輪が閉幕して早1カ月。次なる世界的スポーツの祭典は2010年のFIFAワールドカップ。不思議なことにオリンピックを主催するIOCはローザンヌ、W杯を主催するFIFAはチューリヒと、どちらも本部をスイス国内に置いている。イギリスやフランスといった欧州のメジャーな国ならともかく、どうして国際的な機関の本部はスイスに集まるのだろう? 『物語 スイスの歴史』の著者で日本女子大学の森田安一教授に聞いた。

「なんといってもスイスが永世中立国であることが大きいですね。例えば政治的に偏りがあると、国際会議を開くときにどこかの国の主張に偏ったりしてしまいます。だから中立な立場で議論できる、永世中立国であるスイスに本部を置くのではないでしょうか」

政治的に中立であることが重要だということは確かにうなずけるのだが、調べてみるとスイス国内でも特にジュネーブに国際機関が集中している。ジュネーブは人口わずか約18万人で面積は約16平方キロメートル。そんな小さな都市のジュネーブに国際機関が集まる理由は?

「スイスはもともと4つの地域が寄せ集まることで成立した国家なんですね。そのため政治は首都のベルン、経済はチューリヒ、文化はバーゼル、外交はジュネーブと特定の地域に偏りがなく発展するように、拠点を分散しています。そうした理由からジュネーブに国際機関が集まったのです」(同)

そのほかにも、「憲法でドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語が国語として定められ、外交に必要な英語教育も盛んなこと。市内交通が整備されていること。国際空港がバスで15分ほどの距離でアクセスが便利であること」(森田教授)などの要因もあるという。

スイスは国連には加盟したがEUにはいまだに加盟していない。こうした中立を貫く姿勢も国際機関が多く集める要因といえるだろう。


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