キミも他人事じゃない!

会社の健康保険組合がある日突然なくなったら…?

2008.10.16 THU



写真提供/共同通信社
極めて異例の事態が起きているらしい。8月に物流大手の西濃運輸で、9月は持ち帰り寿司大手の京樽で、健康保険組合が解散になってしまったのだ。倒産以外での解散は珍しいが、今後も解散は続くと予想されるという。

病気になったりして病院に行くとき、健康保険証があれば自己負担は3割で済む。では7割は誰が負担しているのかというと、健康保険だ。健康保険には大きく4つの種類があり(表参照)、社員700人以上の企業は自前で健康保険組合を持つか、社会保険庁が運営する「協会けんぽ」に入るか選択できる。冒頭で解散したのは、自前で健康保険組合を持っていたケース。この組合が今、大変なことになっているというのだ。

そもそもなぜ企業が組合を作るのかといえば、料率を独自に決定できるから。例えば「協会けんぽ」なら保険料率は給与の8.2%と定められている。だが、ほとんどの組合はその料率より低く設定している。しかも、人間ドックや病気予防サービス、出産育児金支給など、福利厚生の充実も図ることが多い。従業員にとってうれしい施策を、安い保険料で実現できた。

ところが異変は2008年4月から始まった。「新高齢者医療制度」の導入で、各健康保険組合にも新たに納付金が課せられてしまったのだ。これが組合に大きくのし掛かる。実際、西濃運輸保険組合の場合は、2007年度に36億円だった高齢者医療拠出金が、08年度には6割増の58億円に増えてしまった。これを補うには、料率を10%以上に引き上げなければならなかったという。これでは料率が高くなり、従業員にメリットがない、と解散を決めたのだ。

健保組合連合会の推計では今年度、全国約1500の組合(約3000万人加入)の約9割が赤字に陥る見通しだという。

勤める会社の組合が解散したら、「協会けんぽ」に移る。保険証の心配はいらないが、会社独自の福利厚生サービスは受けられず、おそらく保険料も上がる。この問題、他人事ではなさそうである。


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