選挙のまえに知っておきたい

「公約」と「マニフェスト」はいったいどこが違う?

2008.10.23 THU



写真提供/共同通信社
総選挙が近くなってきたことで、各政党のマニフェストの中身が新聞などでよくとりざたされている。そういえば、前回の総選挙でも各党がマニフェストをつくって配布し、結果的に「郵政民営化を実現します」と約束した自民党が圧勝。あれでマニフェストという言葉を知った人も多いんじゃないだろうか。

ところで、選挙のときに候補者や政党が有権者にする約束といえば、以前は「公約」と呼ばれていたはず。この「公約」と「マニフェスト」はいったいどのへんが違うのか。

ひとことでいうと、マニフェストは選挙のさいに政党がかかげる「政権公約」のことで、従来の公約は「選挙公約」をさす。このふたつの違いについて、マニフェストの提唱者として知られる北川正恭・元三重県知事はこんなふうに説明している。

「どんな政策を、いつまでに、どんなプロセスとお金で実現するのか。その期限と目標、工程、財源を数値で表して選挙前に示すのがマニフェストです。それに対して、従来の公約は『税金を安くします』『福祉はいっぱいやります』というスローガンにすぎず、『ウィッシュ(願望)リスト』だった」

選挙になると、候補者は「○○を実現します」と耳障りのいい公約を並べるが、当選すれば知らん顔。つまり、言いっぱなしで具体性に欠けていたのが以前の公約で、それじゃダメだと広まったのがマニフェストというわけだ。もともと、マニフェストは「宣誓」「声明書」を意味するイタリア語で、英国の労働党が1997年の選挙でマニフェストを発表し、政権を獲得したことから注目されるようになった。ちなみに労働党はその後、マニフェストをどこまで実現できたかという途中経過も公表。ちゃんと約束が守られているかどうか、あとから検証可能な点もただの公約と違うところなのだ。

こんどの総選挙の結果がどうなるかはもちろんまだわからない。しかし、どの政党を中心にした政権ができるにせよ、そのマニフェスト=政権公約の中身に注目しておくことはすごく大切なのである。


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