問題視しているのは意外にもマスコミだけ?

親の顔が見えると安心?世襲議員が増えるナゾ

2008.11.06 THU



写真提供/時事通信社
小泉純一郎元首相が9月25日に突然引退を表明したのには驚いたが、次男の進次郎氏を後継に示唆したのにはうなってしまった。気がつけば、日本の総理大臣は世襲議員が4代続いている。麻生内閣の閣僚は、じつに18人中11人が世襲議員。国会議員の世襲化が進んでいるように思える。なぜ、政治の場で世襲が行われているのか。政治学者である中央大学の猪口 孝教授に聞いてみた。

「大きな理由としては、とくに日本では平和で安定した社会が続いてきたことが挙げられるでしょう。よくわからない人間を立てるより、親の顔が見える世襲議員の方が安心できるという心理が働く。繁栄が続いている限り、どうしてもこれまでの前例や慣行に流れやすくなりますから。それに、世襲候補は、当選に有利な地盤(後援会)、看板(知名度)、鞄(お金)いわゆる3バンを持っている場合が多い。こうした条件が重なると、世襲議員が増えるのは自然なことだと思いますね」

日本の国政選挙に立候補する際に必要な供託金は諸外国と比べてかなり高い。その額は300万円、比例区なら600万円。アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアなどは供託金制度がないし、ある国でも数万円から10万円未満がほとんど。選挙にお金がかかるのは供託金に限った話ではないが、世襲候補には有形無形の支援がある。

「ただ、すでに経済も政治も混乱している現在、最初に挙げた安定した社会という条件は崩れてきています。必ずしも世襲議員に能力がないとは言えませんが、安易に世襲だからと選んでいる状況ではないと思いますよ。しかし、まだまだ世襲候補に安心を感じてしまう有権者も多い。国会議員を選ぶのは有権者に委ねられているわけですから、難しいところですね」(同)

政治家の世襲に関しては、親の選挙区からの立候補は規制すべきだとする民主党法案もあったが、逆差別になると断念している。結局は、候補者個人の姿勢や力量を見定めて判断するしかないだろう。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト