パレードやら舞踏会やら…

アメリカ大統領就任式はなぜあんなにド派手なのか?

2009.01.22 THU



写真提供/Getty Images/アフロ
オバマさんが正式に米国の第44代大統領となり、ワシントンで就任式がおこなわれた。びっくりしたのはその就任式のド派手さだ。事前の報道によると、まずキックオフ・イベントにビヨンセやシャキーラ、スティービー・ワンダーといった有名人が続々と登場し、式典ではアレサ・フランクリンが美声を披露。さらにオバマさんが国会議事堂からホワイトハウスまでパレードし、その後は各州やMTVなどが主催する舞踏会をはしご。しかも、就任式をひと目みようと全米から集まる人々の数はじつに200万人以上だという。宮中でおごそかにおこなわれる日本の総理大臣の任命式とはすごい違いなのだ。

なぜ就任式がこんなにド派手なのか。その理由のひとつは、新しい大統領に対する米国民の期待があまりに大きいからともいわれている。ボストン大学のアンドリュー・ベイセヴィッチ教授いわく、「就任式の日、新大統領は国民のさまざまな期待と願望の権化」となるという。ところが、「大統領は任期中、これらの国民の願いを満たすことはできない。そこで当然のように同じことが繰り返される。米国民は次の大統領候補を探して期待と願望を託そうとする」(ロサンゼルス・タイムズ2008年8月24日付)

とくに今回の場合、イラク戦争や金融危機など失政続きだった8年間のブッシュ政権のあとを受けるために、オバマさんに対する米国民の期待はこれまで以上に大きい。そのうえ、初のアフリカ系大統領の誕生という米国の歴史的瞬間でもあるだけに、いっそう盛り上がってしまったようなのだ。

とはいえ、この大不況の時代に巨額のお金を投じた派手な就任式をする必要があるのかという批判があるのも事実。たとえば、大恐慌のさなかの1933年に第32代大統領に就任したフランクリン・ルーズベルトは、いまも語り継がれる名演説で国民を励ます一方で、就任行事の舞踏会などは欠席している。それでもド派手な就任式に熱狂し、オバマさんに大きな期待を寄せてしまうあたりが米国的なのだが。


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