公共事業は悪者じゃなかったの?

経済危機対策のお手本「ニューディール政策」とは?

2009.02.05 THU



写真提供/Hulton Archive/Getty Images/アフロ
100年に一度ともいわれる経済危機から脱出するために、各国が巨額の資金を投じた経済対策を打ち出している。代表的なのが米国のオバマ大統領によるグリーン・ニューディール政策。脱温暖化ビジネスを広げていくことで経済と雇用と環境問題をまとめて解決するというもので、10年間に15兆円を投資し、500万人の新規雇用を生みだすという。

そのグリーン・ニューディールにかぎらず、このところ「ニューディール政策」という言葉を新聞などでよくみかける。「ニューディール政策」とは、1929年に始まった世界恐慌を乗りきるために当時のフランクリン・ルーズベルト米大統領がおこなったさまざまな政策のこと。現在の不況が当時と似ているためか、経済危機対策のお手本として最近いろんなところで見直されているのだ。

具体的にどんな政策なのか。それまでの米国は、政府が経済活動にあまり介入しないやり方、小さな政府による自由主義経済で繁栄してきたのだが、行き過ぎて自由放任のようになっていた。そこでルーズベルト大統領は政府が経済活動をコントロールする政策に大転換。なかでも有名なのがテネシー川流域のダム建設をはじめとする「公共事業」で、政府が開発公社をつくり、恐慌で失業した人たちを大量に雇用し、賃金を払うことで消費も向上させようとしたのである。公共事業にはそれ以外にも、道路や鉄道、空港といった社会資本を整備することで物流が活発になり、その都市基盤によって企業が進出しやすくなるメリットがある。景気対策としては減税より効果があるともいわれ、それもニューディール政策を実践した理由のひとつというわけだ。

日本では小泉改革時代に悪者にされたこともあり、公共事業には批判が多い。もちろん財政的な問題や癒着を生んだりするマイナス面もあるが、公共事業にある程度の経済効果があるのは事実。とはいえ、やみくもに道路をつくっても意味がない。必要なのは、いまの時代にあった日本版のニューディール政策なのかもしれない。


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