生類憐れみの令は遠い昔――

ドイツでは犬1頭1.2万円!?ペット税導入報道の背景

2009.02.05 THU



写真提供/ロイター/アフロ
先日、読売新聞に「ペット税導入」に関する記事が掲載された。ペットに税金というと突飛な感じがするが、実は日本では過去に「犬税」なるものが、80年代初頭まで地方税として一部自治体で存在していたようだ。国内では姿を消した犬税だが、海外ではペット犬を課税対象としている国は少なくないという。海外の犬税について、ペット法制に詳しい帯広畜産大学の吉田眞澄教授にお話を伺った。

「犬王国ともいわれるドイツのものが有名です。地方税として導入されており、一般財源に組み込まれています。自治体によって税体系や金額に差がありますが、都市が大きくなるほど、税額が高くなる傾向にあり、10万人規模の都市で1頭につき1年間で約1万2000円ほどかかります。複数飼っている場合は2頭目から金額が高くなったり、日本でいえば土佐犬のような危険犬種は数頭分に相当する額が課せられるのが一般的です。他の人に危険が及ぶ可能性が高いほど高額になるといえると思います」

ドイツは動物愛護先進国としても名高い。ペットを飼うことには大きな責任がともなう。今回、日本でも新規購入のケースに限り、動物愛護のための目的税としてペット税導入が話題になった背景には、どうやら犬猫の殺処分の問題があるようだ。

日本の場合、捕獲された野良犬猫や、無責任な飼い主に捨てられて通報により収容されたり、動物愛護施設に持ち込まれたペットは、4~10日ほど保護される。その間に新しい飼い手が見つからない場合、殺処分されてしまう。06年には犬猫合わせて34万頭の命が失われているという。

現状を環境省に聞くと、処分頭数は年約2万頭ずつ減少しているが、身勝手な飼い主が持ち込んでくるペットの引き取りには各施設、今も頭を悩ませているとのこと。

ドイツをはじめ、欧州各国の年間処分頭数は日本の4分の1程度。ペット税導入議論が具体化するかどうかわからないが、飼う側のモラルと責任が問われているのかもしれない。


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