天下りや渡り問題で注目される

公務員制度改革でモメている人事院ってどんな役所?

2009.03.12 THU



写真提供/時事通信社
国家公務員が省庁のあっせんで再就職するいわゆる「天下り」や、複数の天下り先を渡り歩く「渡り」の抑制を目指す公務員制度改革。その中身を巡って政府と人事院が対立して話題になったのは、つい先月のこと。そもそも人事院とは、どんな機関なのだろう?

「国家公務員は、憲法が定める労働基本権が大きく制限されています。たとえば、国家公務員は給与の交渉ができません。人事院は、国家公務員に代わって適正な給与額を設定するという役割を果たしています。これを人事院の代償機能といいます」

こう教えてくれたのは、公務員制度に詳しい東京市政調査会の川手摂研究員。確かに、公務員にストライキを起こされたら行政サービスがストップして国民生活に影響が出てしまう。禁止事項や制限があるのはやむを得ないのかも。では、国家公務員の給与は、どんな基準で決められるのか。

「人事院は民間企業の給与を毎年調査しており、国家公務員の給与が民間の水準と近くなるように国会と内閣に勧告します。また、国家公務員の給与は、ランク別に10級から1級まであり、各級の定員を決める級別定数管理も人事院の仕事です」(同)

つまり、役人の給与は人事院が統轄してきたわけだが、今回の改革では人事院の役割の一部を内閣官房が担う案が浮上している。

「政府は、内閣官房に内閣人事・行政管理局を新設し、人事院から級別定数管理機能を移管するとしています。内閣官房が権限を握れば、給与が高い級の定員数を減らすなど、時の政権に都合よくコントロールされる恐れがある。それでは代償機能が果たせないと人事院は主張しています」(同)

人事院が反対しているのはこの1点のみで、公務員制度改革自体を否定しているわけではないという。一方で、人事院は級別定数の権限を固持することで、各省への影響力を保とうとしているとの批判もある。いずれにせよ現行制度に改革が求められているのは確かであり、要注目といえるだろう。


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