雅子様の父・小和田恆氏を所長に選出

ところで国際司法裁判所は何を裁く機関なの?

2009.03.26 THU



写真提供/時事通信社
「日本人初 国際司法裁判所長に小和田恆氏 選出」。去る2月7日、このような見出しが新聞の一面を飾った。皇太子妃・雅子様の父・小和田恆氏が、「国際司法裁判所(ICJ)」の裁判官としての実績が認められ、このほど同裁判所長に選ばれたというのだ。ICJ。あまり耳慣れない響きだ。裁判所というからには何らかのモメごとを裁く機関なのだろうが、具体的にはどんなことを処理しているのか? 国際法の専門家である東京大学法学部の岩沢雄司教授に伺った。

「ICJとは国連の司法機関で、国家間で起こる法律的に処理できる紛争が裁判の対象です。具体的には国家間の領土問題、海域の境界問題などを扱う、日本の裁判でいうところの『民事訴訟』に近いですね」

なるほど。しかし、価値観も法律も違う各国がそれぞれの立場で利害を主張するなか、ICJは何を基準に紛争を裁くのか?

「その基準は大きくいって2つあります。まずは『条約』。紛争当事国同士が条約を締結していれば、それが共通のルールとして、ひとつの基準になります。もうひとつは『国際慣習法』。これは、世界各国の慣行の積み重ねで慣習法化された不文法(文章で表現されていない法律)。条約は締結した国家間のみ有効ですが、国際慣習法は国家である以上、原則すべての国に遵守の義務があります。つまり世界各国共通のルールなのです。以上の2つをあわせて『国際法』と呼び、ICJの判決の基準となっています」

この国際法をもとに下された判決は法的拘束力を持つらしいが、国内裁判と違って、国と国とが争う国際司法裁判は、勝訴側が敗訴側に判決を「強制執行」することができないという。つまり、ICJの判決は各国のモラルに委ねられているのが現状というわけだ。

ちなみに、先日スーダン大統領に逮捕状を発行した「国際刑事裁判所(ICC)」は、国際犯罪を犯した個人を裁く。名前は似ているが、国家間の紛争を裁くICJとは別の機関だ。


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