今年限りの珍事かも…?

赤字経営ニッポンの借金が43年ぶりに減少のワケ

2009.06.18 THU



写真提供/時事通信社
財務省の発表によれば、国債や借入金などの国の債務残高(つまりは借金)が、2008年度末で846兆4970億円と、前年度末に比べて2兆7426億円、約0.3%減少したのだという。たった0.3%とはいえ、借金が前年度比で減少したのは、戦後に国債発行を開始した1965年以来初めてのこと。国の借金が過去最高で更新し続けているというニュースは頻繁に目にしてきたが、どうして今回は減ったのか。

背景にあるのは、小泉政権下で進められた「特殊法人改革」だ。かつては特殊法人の運営を行うため、国が債券を発行して資金を集め、資金を融通していた。そもそも特殊法人はお金儲けを目的とせず、公共性の高い仕事を行うことになっている。政府が資金を調達しないと運営資金を安定的に確保しづらかった、という事情があった。

だが、その一方でコスト意識が希薄であり、経営においても無駄遣いが多いという批判の声も強かった。そこで、構造改革の一環として、特殊法人を民営化したり、独立行政法人化することで、独立採算を原則に、資金調達も独自で行うことが求められるようになったのである。

これによって、国は特殊法人が必要とする資金を彼らに代わって調達する必要が減り、そのためにかかっていたコストも大幅に減った。このコストが、いわゆる「財政投融資」である。その全体の総額はピーク時の約3分の1、約14兆円にまで圧縮されたのだ。政府や官庁が推し進めてきた改革と財政再建への取り組みが、ひとつの結果を出した、ということである。

2009年度は不況対策もあり、国債発行額は過去最高の約44兆円になる見通し。さらに政府系金融機関による企業の資金繰り支援などにあてる資金として、財政投融資にからむ債券発行も大幅に増え、借金の増加は避けられない模様。ただ、一度は努力の結果が「戦後初」という成果として出たのは事実。やることをやれば、やっぱり何かは変わる、ということか。


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