言葉だけは知ってるけど…

「執行猶予」制度はそもそも何のためにあるの?

2009.06.18 THU



イラスト:川合景二
ニュースでよく耳にする執行猶予。でも、どんなものかイマイチわからない人も多いのでは? 裁判員制度もスタートしたし、このへんで学んでおきたい! そこで、法律事務所オーセンスの酒井将弁護士に詳しく聞きました。

「執行猶予とは『有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予し、その間に罪を犯さないことを条件として刑罰権を消滅させる制度』のこと。猶予といわれると、その期間の後に刑が執行されると思いがちですが、実際は法を犯さず猶予期間を全うすれば、懲役などの刑は科されません」

なるほど~。でも、そもそもなんで執行猶予なんて制度があるの?

「執行猶予には、社会生活の中で心から罪を反省し、自力で更生することで二度と罪を犯さないように促す目的があります。そのため、全面的に罪を認めているなど、情状酌量の余地がある場合に限り、1年以上5年以下の執行猶予が付くんです。ただし、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金刑の場合と決められていて、それ以上の場合は対象になりません」

執行猶予期間中には何か制約が?

「ある程度、規制はあります。例えば海外旅行。パスポートを申請するには、外務省の個別審査を受ける必要があり、取得できても有効期限が8カ月などの短いものです。さらに、出国はできますが渡航先の国の法律により入国できないことも。ほかにも、行政書士や司法書士などの国家試験に合格しても、資格登録できなかったり国家公務員になれなかったりしますね」

でも正直、想像していたよりも普通の生活が送れるんですね。

「ただ、執行猶予中に罪を犯せば、即実刑、または新たな罪への量刑が通常より重くなる可能性が高い。執行猶予は、再犯防止のための1つの方法なんですよね」

裁判員制度の対象となる重大案件には、執行猶予が適用されないケースが多そうだけど、これから判決の報道を見る目は変わりそうです。


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