「食料自給率」より大切らしい…

“食”の未来の重要キーワード「食料自給力」に注目せよ!

2009.07.06 MON



写真提供/時事通信社
日本の食料自給率は低い。万が一、海外から輸入できなくなったら、どうするのだろう。そんな不安を抱いたことがある人も多いはず。農林水産省のHPによれば、2007年度の日本の「食料自給率(カロリーベース)」は40%。1965年が73%だったことを考えると、この下がり方はたしかに心配だ。

食料自給率とは、国内の食料消費が国内の農業生産でどの程度まかなえているかを示す指標。だが、このときの食料消費とは、実は供給された量のこと。食べ残しや売れ残りの廃棄もたっぷり含まれている。つまり、本当に必要としている食料はもっと少ない可能性が高いのだ。しかも、国内の農業生産にしても、自給率が大事と言われているわりには、減反政策があったり、市場価格維持のための廃棄も多かったりする。

そこで今、注目されているのが「食料自給力」という言葉だ。これは実際に食料をどれだけ生産できるかという供給力を指す。言ってみれば、農業の実力を示す指標だ。そもそも日本が、ここまで食料を輸入に頼っている理由は、海外から調達した方が国内生産するより価格が安いから、という側面も大きい。現状の経済合理性だけを考えれば、輸入した方がいいのである。

実は表面上、自給率を高めるだけなら輸入を減らせばいい。だが、輸入を減らして国内生産を拡大したところで、待っているのは食料の高騰、なんてことになりかねない。必要なのは、効率化や合理化など農業そのもののレベルを高めることや、担い手不足の解消。これこそが自給力なのである。

では、今の日本の自給力はどうか。高コスト、低生産性、従事者の高齢化。いいニュースはあまりなかったが、ここにきて風向きが変わってきた。法改正で農家以外の株式会社等でも農地を借りて農業生産ができるようになり、農業ビジネスが脚光を浴びているのだ。日本の野菜や果物がおいしいのは、ご存じの通り。質の勝負なら、国際競争力は十分。自給力が高まれば、輸出産業にもなりうる、のである。


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