“ご当地水道水”まで登場!

カルキ臭かった水道水をおいしくするための取り組みとは?

2009.07.14 TUE


一足先に味わって見たい人は都庁、上野公園などで買える。500mlで1本100円
「高崎百年水」「さがみの水」「小樽の水」など、名前だけ聞くとどこかのミネラルウォーターのようだが、実はこれらの商品は浄水場が作っているご当地水道水。つまり、蛇口から飲める単なる水道水なのだ。東京でも「東京水」というペットボトルのタイプの水道水が売り出されており、都庁や上野公園などで買うことができる。「最近、水道水がおいしくなった」という話は確かにどこかで聞いたことがある。でも、いつから、どうしておいしくなったんだろう?

「今から20~30年前、昭和40年代は確かに水道水の味はよくありませんでした」と語るのは、東京都水道局の総務部調査課長の筧 直(かけひ・すなお)さん。当時の浄水処理技術では、カビ臭やカルキ臭を除去することができず、そのにおいが原因で水がおいしくないと感じたらしい。ただし、そもそものカビ臭さ、カルキ臭の原因は高度経済成長期での人口の急増に下水道の整備が追いつかず、原水となる川の水自体の汚染がひどくなったことにある。

このカビ臭、カルキ臭対策として、平成4年に東京都葛飾区の金町浄水場に高度浄水処理が導入された。高度浄水処理とは、従来の凝集・沈殿、ろ過の工程に、オゾン処理と生物活性炭吸着処理を取り入れた方法だ。オゾン処理とは、空気中の酸素を強力な酸化作用のあるオゾンに変化させ、水中のかび臭物質やトリハロメタン原因物質を分解・除去してしまうもの。生物活性炭吸着処理は、微生物がすみ着いた活性炭でろ過することにより、においの原因物質を除去する方法である。

水道水がおいしくなったのは最近だと思っていたのですが、平成4年とはかなり前から取り組まれていたんですね?

「導入前は夏場になると、カビ臭い、カルキ臭いといった苦情の電話がかかってきましたが、高度浄水処理を入れてからは、ぱったりなくなりましたね。ただ水道水の満足度調査を行ったところ、不満を感じている人がまだ半数もいることがわかったんです。そこで平成16年6月より「安全でおいしい水プロジェクト」を設立して、水道水のPR活動を開始しました」(筧さん)

PR活動開始と同時に、東京都水道局ではさらなる水のおいしさの追求も始めた。その一つが直結給水方式。せっかくおいしい水を作っても、マンションなどの貯水槽の管理が悪ければ、水質が劣化してしまう。そこで貯水槽を経由せずに直接各階に給水する方法が直結給水方式である。ただし、高いビルなどの場合、配水管からの水圧だけでは、マンションの上層階に水が行き届かない。そのため、途中に増圧ポンプを直結させることで、従来では届かなかったところにも水を送れるように工夫している。

東京都水道局では、平成25年度末までに高度浄水処理を東京都の水道水の8割を担う、利根川水系の浄水場のすべてに導入する予定。気がつけば抵抗感なく水道水を飲んでいたそんな日がくるのも近そうだ。

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