最後は「票読みのプロ」が鍵を握る?

「開票率0%」なのに当選確実のヒミツ

2009.09.10 THU

衆院選がついに終わった。フタを開けてみれば、民主党の圧勝で政権交代が果たされた。その歴史的な瞬間を見守りたいとテレビの開票速報にかじりついた人も多いはず。そこで気になったのが、あまりにも早く報じられる「当選確実」、略して「当確」だ。開票率0%でもバンバン当確が出るのは、なぜか?

その有力なカギとなっているのが、日本では90年前後に導入された「出口調査」。今回の衆院選でも全国で数十万人規模の出口調査が行われた。だが、出口調査も万能ではなく、精度を上げるため、各局ともさらに様々な角度から調査を行っている。民放キー局記者が解説する。

「投票前に電話アンケートなどによる世論調査を行っていますが、電話に出て調査に協力してくれる人は主婦や高齢者が多く、どうしても偏りがあります。そこで、記者が足で取ってくる情報も重要。各団体の組織票がどこへ回るのかを把握したり、集会に顔を出して有権者の声を聞いたりします。また、開票が始まると、開票所に記者が張り付いて、各候補者の票の山がどれくらい高くなっているかもチェックしています」

とはいえ、これだけ綿密な取材にもかかわらず、当確が取り消されるという事態が発生することも。その原因は様々だが「期日前投票の動向を考慮していなかったり、有権者の地域性を十分に勘案していなかった、といったミスが多い」(同前)そうだ。

今や各局ともコンピュータを駆使して、統計的なデータを積み上げ、速報の精度を高める努力を行っている。だが依然、人間の感性に頼る場面も多い。某テレビ局では選挙の情勢分析の経験豊富な「票読みのプロ」が特別に配置されているとか。取材記者の感性も重要度が増している。かつて選挙といえば、組織票の行方が勝敗を決したが、近年では各団体とも組織率が低下し、代わって浮動票が増えている。いわゆる「風を読む」というアナログな取材手法が、これまで以上に重要度を増しているのである。


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