個人なら「所有」もできる?

月利用を巡る国際ルール「宇宙条約」&「月協定」とは?

2009.09.10 THU

アポロ11号の月着陸から40年。いったんは、なりを潜めていた月探査の動きが、ここ数年各国で再び盛り上がりを見せている。先ごろその役目を終えた日本の月周回衛星「かぐや」が送ってくれた地球の出の映像は、記憶に新しいところだろう。このように探査の動きが活発になってくれば、やはり気になるのがその後の展開。いざ資源開発や移住など利用の段階に入った場合、その権利関係はどうなるのか?

現在、月利用に関する主な取り決めには、国連で制定され67年に発効した「宇宙条約」と、84年に発効した「月協定」の2つがある。このうち、もっとも効力があるのが「宇宙条約」。日本など先進国を含む100カ国が批准しており、現在の宇宙での活動は、宇宙条約の取り決めに従い行われている。

しかしこの条約。見ると、国家による月領有の禁止(2条)は明記されているが、資源利用に関する明記はない。かろうじて1条に、どの国も平等に国際法のもとで自由に探査・利用できる、という旨の記述があるのみ。ということは、領有はできないが資源開発は自由に行える、という解釈も成立しそうなのだがここが少し複雑。宇宙条約におけるこの点の曖昧さを補完するような存在として「月協定」があるからだ。

「月協定」では、月の天然資源は人類の共同遺産であり、資源開発で得られる利益は協定の締約国に公平に分配すべき、と明確に取り決めているのだが。実はこの協定の批准国は13のみ。しかも日本やアメリカ、欧州など宇宙開発の先進国は、どこも批准していない。理由は簡単。現状の協定が、国家による資源開発を制約するものだから。アメリカは、その旨を明言した上で批准を拒否している。ちなみに日本政府は過去に、日本が批准する意義が乏しい、とのスタンスを表明している。というわけで、明確な取り決めがほぼない月利用の現状。そう遠くはない将来、月の資源をめぐる争いが起こらぬよう、そろそろ真剣に考える時期なのかもしれない。


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