世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

うんちは世界を救う!?

2009.11.05 THU

理化学ドリル


【問1】今年のイグ・ノーベル賞を受賞した、
画期的な生ゴミ削減方法の鍵となる菌はどこから見つかった?

A. パンダの唾液 B. パンダの血液 C. パンダのうんち

【解説】 去年、日本人が3人も受賞して大フィーバーとなったノーベル賞、今年は空振りに終わりましたが、“まず笑わせ、そして次に考えさせてくれる研究”イグ・ノーベル賞は今年も日本人が生物学賞を受賞して、3年連続の入賞となりました! 受賞したのは、北里大学の微生物学者、田口文章先生率いる研究チーム。台所から出る生ゴミを効率よく分解する菌を「ジャイアントパンダのふん」から発見した功績が称えられたのです。
微生物の力を借りて生ゴミを分解・処理する方法は省エネだし環境に優しいけれど、やはりゴミの全部は分解できず、夏場でも90%、気温が下がる冬場には60%くらいまでしか処理できません。その処理能力を向上させてくれる菌はないものか…と探して見つけたのが、パンダのふんに棲んでいたグラム陽性有芽胞桿菌。この菌(好気性高温菌と呼ぶようです)の最大の特徴は、熱に強いこと。生ゴミ処理機の内部を高温にしてくれるので省エネだし、生ゴミの処理時間を短くできるし、イヤな細菌の繁殖も防いでくれる。スグレモノの菌なのです!


【問2】大人のジャイアントパンダが 1日に食べる笹の量は?

A.7~8kg  B. 9~11kg C. 12~14kg

[正解] 問1:C 問2:C


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、「湯川 薫」名義でミステリー作家としても活躍する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

研究への情熱が、世界に笑顔を生む?



それにしても、なんで「パンダのふん」に目をつけたのかと言いますと…消化しにくい笹を主食にしているパンダの腸内には、それだけ強力な菌がいるかも…ということで「ふん」に注目。試しにパンダのふんに生ゴミを混ぜてみると、なんと通常の倍のスピードで分解されるという驚くべき結果が! やはりパンダの体内に犯人はいるんじゃない? ということで、この菌を分離して実験し、実際に生ゴミの分解能力が高いことを実証したのです。
さて、今年のイグ・ノーベル賞のラインナップ、他はどんな感じかと言いますと…ウクライナ人研究者が「緊急時にはガスマスクになるブラジャー」(余った片方はお近くの方にどうぞ)で公衆衛生賞を受賞。けっこうセクシーです。
イギリス人研究者は、「名前を付けた乳牛の方が名無しの乳牛より乳の出がよくなる」ことを証明して獣医学賞を射止め(ちなみに共同研究者は出産後だったため(!)授賞式には出席できなかったが、自分と乳牛、そして乳牛の着ぐるみを着せた我が娘との3ショット写真を送ってくれたそうです)、さらにメキシコ国立自治大学の研究者はなんと「テキーラからダイヤモンド」を作ることに成功し、化学賞を受賞。いずれも愉快なテーマばかりですが、研究者の人たちは皆、真面目に研究してるんです。本当に真面目にやってるからこそ、かえって笑いがこみ上げてきちゃう…。
だから、至極まっとうな研究なのに田口先生が受賞したのは…それはやっぱり、真面目な「パンダのうんち」研究がウケたんだろうなぁ。ちなみに2007年には「ウシのふんからバニラ香料を抽出する」研究で、日本人研究者の山本麻由さんも受賞してます。そうだよね、みんな、なかなか白状しないけど、こーゆー話はやっぱり大好きなんだよね!!(自分含む)

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