珍グルメ探偵団

第10回 ついにこの時が…! ゴキブリを食す!!

2009.12.11 FRI

珍グルメ探偵団


こちらは調理前のマダガスカルゴキブリ(これが本来あるべき姿です!)。体長は5~6cm程度あります。ペットとして飼われることが多く、日本でもペットショップなどで売られている場合が。ちなみに、アルゼンチンモリゴキブリはかなり日本のゴキブリに近いので写真はカット!

食べる地域&民族は皆無! それでも食べちゃうゴキブリのお味とは…?



みなさんも一度は経験があるでしょう。夜中にふと台所へ足を運んでみると…台所のすみっこでモゾモゾ動く黒い物体。「で、出たー!!」なのか「で、出たぁ…」なのか、その反応は人それぞれですが、それでもやはり一瞬硬直してしまいますよね。ゴ・キ・ブ・リ。今回は、そんなゴキブリに挑むことになったのですが、そもそもゴキブリって食べても大丈夫な生き物なの…?

「絶食させてお腹の中をキレイにすれば、日本でよく見かけるクロゴキブリも食べることはできますよ。まぁ、オススメはできませんが…」

と、教えてくれたのは昆虫料理研究家の内山昭一さん。当連載でも虫をテーマに繰り広げた回は、すべて内山さんにいろいろとお世話になりました。ところで、さきほど「クロゴキブリも」とおっしゃいましたが、他にも食べられる種類はあるのですか?

「基本的に絶食をさせれば、どんなゴキブリも食べられます。ただ、ゴキブリを“食べ物”として扱う地域は世界的に見てもないでしょうね。大航海時代にイギリスの船乗りが食べていた、なんて話もありますが定かではありません」 ちなみに漢方では、サツマゴキブリというハネのないゴキブリの一種は粉にしていろいろな生薬と混ぜ合わせ、薬として使われているんですって。薬ならまだしも(わからなそうだからね!)、身そのものは…。でもやっぱり内山さんは食べた経験が?

「もちろんありますよ。特に、マダガスカル原産のマダガスカルゴキブリと、アルゼンチン原産のアルゼンチンモリゴキブリはイチオシです。どちらも大きくて、食べごたえがあるというか…特に大きなマダガスカルはお腹の部分が淡白な白身魚のようでおいしかったんですよ。まぁ、現地の人さえ食べてないんですけどね(笑)。クロゴキブリも食べたことはあるんですけど、小さいせいかあまり満足感が得られず…ただ食感はサクサクしてました」

うわぁー…選べるものなら“聞かない方向”でお願いしたかった感想です(涙)。ちなみにゴキブリの95%は森林環境に生息しており、家のなかに入ってくるヤツらは全ゴキブリのほんの一部なんですって。…うそ!? これまでの人生でわりとひんぱんに遭遇しているけど…。どんだけいるのよ、ゴキブリって…。約3億年前から生息し、“生きた化石”とも呼ばれるゴキブリ。その生命力にあやかって、寒い冬を乗り切るための鋭気を蓄えちゃいますか! うそーん…。
こちらアルゼンチンゴキブリの素揚げ。当たり前ですが、完全に息絶えています。さっきまでカサカサモゾモゾと元気に動き回っていたんですけどね…。普通なら口ではなくゴミ箱に運ばれてしまうところですよ…

マダガスカルゴキブリにアルゼンチンモリゴキブリ… エキゾチックなゴキブリ2種を食す!



約3億年も前から生息し、“生きた化石”とも呼ばれているゴキブリ。そんな栄えある(?)歴史を持つゴキブリなら、世界のどこかでは“食べ物”として立派に市民権を得ているのでは? と思っていましたが、昆虫料理研究家の内山昭一さんの話によると「世界的に見ても“食べ物”としての扱いはありません」とのこと。ショック…。不安と恐れに支配されつつ、今回はそんなゴキブリに挑戦したいと思います!

このたび、ゴキブリをいただく舞台となるのは内山さんのご自宅。なんと、内山さんは食用ゴキブリを養殖しているそうで、今回はそちらからお裾分けをいただく次第です。とはいえ、「“食用”なんて言っていますが、マダガスカルゴキブリとアルゼンチンモリゴキブリをただ絶食させているだけですから。食用ゴキブリなんてものは存在しないんですよ。あはは」とのこと。うそーん…。

ガックリとうなだれ、放心状態の私を尻目に内山さんは調理スタート。キッチンからは揚げ物を作っているような音が聞こえてくると同時に、香ばしいにおいが漂ってきました。

最初に登場したのは、アルゼンチンモリゴキブリ(アルゴキ)の素揚げ。輪切りのニンジンにそのまんまの姿がのっかった様子はなんともオシャレ! まるでリッツパーティー!! …なんて冗談はさておき、覚悟を決めて一口でパクリ…カラリと揚がったゴキブリの外側はサクサクパリパリとしており、噛んでいくとお腹のあたりからやわらかいものが出てきた…これはエビだ! エビの頭を揚げたやつからエビミソが出てくる感じ!! 純粋にうまい(笑)。
お待たせいたしましたー! おそらく、当連載で一番グロテスクな写真かと思われる、アルゼンチンモリゴキブリのバター焼きです。盛りつけもオ・シャ・レッ!
「なんだコレ…ふつーにイケますね。おいしいです」と、キッチンで料理を続ける内山さんに感想を述べていると、今度はバターのいいにおいが漂ってきました。次に登場したのはマダカスカルゴキブリ(マダゴキ)のバター焼き。一度茹でたあと、お腹を開いてバターで焼いたものなんですって。見た目は超グロテスク! だってお腹を開かれたマダゴキが、仰向けになってお皿に並べられているんですから…。こちらは体長が5、6cmほどもある大ぶりの種で、殻が硬いため主に食べるのはお腹の部分のみ。殻もフライパンで炒めると香ばしいとか…。意を決していただいてみたところ…うわぁぁ、何コレ!? エビグラタンじゃん! バターの風味も影響しているとは思いますが、お腹自体がかなりクリーミィで濃厚!! そしてなぜかエビの味がする! これもうまい!!

「日本でよく見かけるクロゴキブリも食べられるんですが、見慣れているから抵抗感があるでしょ。その点、アルゴキやマダゴキなど南国系のゴキブリは見た目も大きく、一見ゴキブリには見えないですから」との理由で、今回、この2種を料理していただいたのですが、どちらもうまかった! でもって、どちらもエビの味を感じさせる。ちなみに“食用”に仕立てるための絶食期間は約1週間。それ以下だと臭みが残り、それ以上は痩せすぎちゃってうまみがなくなってしまうんですって。確かに味はおいしいですが、あえて食べなくてもいい“食材”だと思うので(笑)、みなさんは今回のレポートでお腹を満たしてくださいね。 最終回は存分に楽しんでいただけましたか?
まさか、自分があのゴキブリを口に運ぶことになるとは…。

連載が始まった当初、いろいろな珍食材を探していましたが、
「ゴキブリだけはないよな~」と思っていたんですよ。
ま、食べちゃったけどね!

しかし、今回の“食卓の風景”はかなり珍妙なものでした。
だって、食卓以前に、“その空間にいてはいけない”生き物が
堂々とお皿に盛られて、食卓を彩っていたのですから…。

と、10回にわたってお届けしてきた珍グルメレポート。
みなさんの食事の選択肢が広がったならこれ幸い。

「火さえ通せば、食べられないものなどない! でも別に食べなくてもいい!!」
これが、当連載で私が得た教訓です!!

いやはや今後は、純粋なグルメレポートをお届けしたいです(笑)。
そのときがくるまで、みなさん元気にグルメ道楽を楽しんでくださいね!
たまにはゲテモノもね!

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