世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

全部スケスケ…透視する技術!

2010.02.04 THU

理化学ドリル


写真提供/三重大学 田丸 浩准教授 三重大学の田丸 浩(ゆたか)准教授らが開発した透明な金魚。解剖の必要がないため、一生を通じた内臓の成長や心臓が脈打つ様子も観察できるのだとか
【問1】現代の技術で、人工的に
作ることができる“透明”動物は?

A. 魚 B. 魚とカエル C. 魚とカエルとネズミ

【解説】ゆらゆらと尻尾を揺らして泳ぐこの金魚、よーく見ると、骨や内臓が透けている。三重大学と名古屋大学の共同研究チームが開発したこの金魚は、うろこと皮膚が透明なので体の中が透け透けで、生きたまま体の中を観察できるのだ。これまでにも、メダカやゼブラフィッシュなどで透明化(?)に成功していたが、体重はせいぜい3gと、観察するにも血液を採取するにも、いかんせん小さすぎた。でも金魚なら1~2kgまで大きくできるし、寿命も20年とバツグンに長いので、研究にはうってつけなんだとか。
色の薄い金魚を何世代も掛け合わせることで、こんな透明なお魚ができたのだそうだ。自然界では、きっと目立ちすぎて淘汰されてしまうだろうけど、人工的に選択すると、こんな透け透けにもなる…生きものって、やっぱ不思議だなぁ!

【問2】空港の全身透視スキャナーで
用いられている技術は?

A.X線  B. テラヘルツ線 C. 宇宙線

[正解] 問1:B 問2:A


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、「湯川 薫」名義でミステリー作家としても活躍する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

透視によるプライバシー問題が浮上?



透け透けといえば、ただ今、世界各国の空港のセキュリティチェックに関して「スケスケ」問題が浮上中。2009年12月28日に起きたノースウエスト航空機での爆破未遂事件は記憶に新しいが、この事件で捕まった容疑者は下着の下に爆発物を仕込んでいたため、搭乗の際のセキュリティチェックをすり抜けてしまった。
そこで注目されたのが、衣服すら見通す全身スキャナーだ。X線やミリ波といった電磁波は、衣服には吸収されてしまうが、人体のような有機物や金属・プラスチックは電磁波を吸収せず、「反射」(散乱)する。この装置は、その反射の具合をコンピュータが鮮明な3D画像にしてくれるので、体に危険物を密着させて隠してたってバッチリ見えちゃいます。っていうか、こりゃほぼヌードですよ。英国のマンチェスター空港では、すでにこのような全身スキャン装置が試験導入されていて、ボディラインはもちろん、股間のモノがどっちに寄っているかも丸見え。もちろん、検査が終わればすぐに消去されるし、使う電磁波は弱いので人体への影響もほとんど心配ないんだけれど…まあ、あんまり気分のいいもんじゃあない。このスケスケチェックが「児童ポルノ違反にあたる」という意見まで出ているので、空の安全とプライバシーの尊重のどこで折り合いをつけるかが大問題となっている。
実はこの装置、最初は外から持ち込まれる物よりむしろ「持って出る」のを阻止する方で活躍することが期待されていて、南アフリカのダイヤモンド鉱山では鉱夫が帰宅するときのチェックに使われているんだとか。
見ず知らずの人に裸を見られるのは嫌だけど、安全には換えられないし…いっそ、「むしろ見せたいボディ」になってみるっていうのはどうだろう!

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