世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

日本最大の水族館

2010.06.03 THU

理化学ドリル


画像提供/AFLO 全長8m超のジンベエザメをはじめ、約70種類の生き物が展示されている美ら海水族館の巨大水槽「黒潮の海」。この水槽で、世界初となるマンタの繁殖にも成功した
【問1】沖縄美ら海水族館にある大水槽の厚さは?

A. 13mm B. 603mm C. 1003mm

【解説】美ら海水族館には、実際に603mmの厚さのアクリル板が展示してあるが、あまりの厚さに、もはや「板」という感じは受けない。目玉の大水槽のパネルの大きさは、横幅22.5m、高さ8.2m。実に壮観だ。この水槽は7500立方メートルの海水をたたえている。この水の量は、500mlのペットボトルに換算すると1500万本分に相当する。
美ら海水族館の大水槽は、長らく世界最大のアクリル水槽としてギネスにも認定されていたが、2008年にドバイ水族館がオープンし、記録は塗り替えられた。とはいえ、美ら海水族館には、まだギネス記録が残っている。それは「ジンベエザメ」の長期飼育記録である。実は、そもそも、餌を食べるときにジンベエザメが直立するため、巨大な水槽が必要になったのである。ちなみにジンベエザメはおとなしく、プランクトンや小魚が主食だそうだ。

【問2】次のうち深海魚はどれ?

A. キンキ  B. ハリセンボン C. クロダイ

[正解] 問1:B 問2:A


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、ミステリー作家としても活躍する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

未知なる深海に思いを馳せる



美ら海水族館の目玉はジンベエザメだけではない。同じ大水槽にいる「マンタ」も注目度が高い。マンタの正式名は「オニイトマキエイ」。サメと同じ軟骨魚類に属し、エイのくせにサメ肌である。マンタも性格はおとなしく、オキアミなどのプランクトンが主食だ。
美ら海水族館には大水槽だけでなく77の水槽があるが、深海魚を展示するのは、かなり大変らしい。なぜなら、深海魚を釣り上げると、魚の中の空気が膨張して破裂したりするからだ。具体的には目や浮き袋が膨らんでしまう。そこで、釣り上げたらすぐに注射器で空気を抜いて「応急措置」を施す。そして、水族館に着いたら加圧器に入れて、徐々に魚がふつうの水圧で生活できるように慣れさせるのだという。
うーん、たしかに人間だって慣れれば海に(それなりに)深く潜ることができるし、重力が変化しても宇宙ステーションや月面で活動できる。それと同じで、深海魚もがんばってふつうの水圧に自分を合わせるわけだ。水族館の人も大変だが、深海魚も大変だ。
深海といえば面白い話がある。イギリスの博物学者エドワード・フォーブスは、調査船に乗って地中海を回り、1843年に「水深550mより深いところに生物は存在しない」という説を発表した。もちろん、その後、底引き網や海底ケーブルの敷設にともない、深海生物が存在することがわかったが、わずか170年前には、人類は深海についてほとんど何も知らなかったわけである。
美ら海水族館の展示をよくみると、「生態はよくわかっていない」という説明のある生き物に多く出会う。海はいまだに謎にあふれているのだ。

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