本場の値段、ハウマッチ!

第2回 ロンドン地下鉄は初乗りが高い? 後編

2010.06.09 WED

本場の値段、ハウマッチ!


課税ゾーンは、道路に設置された標識や道路上に塗られたシンボルで識別されている。ちなみに、渋滞税の支払い期限は当日の24時までで、地域に設置された自動支払機やインターネット、携帯電話などを使って支払う仕組みになっているそう

ロンドンを車で走ると税金がかかる?



市内を走る車の平均速度が15km/時程度というほど、深刻な交通渋滞に悩まされているロンドン。そのため市民の8割以上が、移動時に地下鉄などの公共交通機関を利用しているのだとか。そのような背景を受けて、ロンドンでは2003年から『コンジェスチョン・チャージ(渋滞税)』という税制度が導入された。

「平日の7時から16時30分までの間、市の中心部にあたる“課税ゾーン”に車で進入する場合、1日あたり8ポンド(約1040円)を国に納めなければなりません。違反した場合は40ポンド(約5200円)から120ポンド(約1万5600円)の罰金を徴収されます」

と解説してくれたのは、ロンドン赴任歴を持つ北海道大学工学研究科の加賀屋誠一教授。渋滞緩和を目的に導入されたこの税制度だが、実はこんな裏事情もあるのだとか。

「もともと交通のコントロールや犯罪防止のために、相当なお金をかけてCCTV(監視カメラ)を主要道路に設置したのですが、監視されることに対して市民からの評判が悪く…。当時の市長は、その監視システムを効率的に使う目的で、規制ゾーンに入る自動車のナンバーを把握しながら、税をとっていく仕組みを考えたそうです」 なるほど。ところでこの渋滞税は、実際、渋滞緩和に効果を発揮したのでしょうか?

「導入後、交通量は20%減り、渋滞遅延時間も30%短縮されたとロンドン市は報告しています。さらに、交通事故による負傷者も導入前は年に2598人だったものが、毎年200人ずつ減り、2005年には1629人にまで減少したそうです。また、渋滞税による税収を公共交通機関の整備や安全対策の強化に生かしていけるというメリットもあるため、現在、この税制度はロードプライシング(特定の地域に流入する車に料金を課す制度)の成功例として有名になっています。東京やニューヨークも導入したいようですね」

ほほう。とはいえ、問題点もまだまだ抱えているらしく、日常的に車を利用している市民にとって1日8ポンドの税はやはり負担になっており、また自動車産業にとっても、こういった自動車規制に結びつく施策は歓迎されていない現実がある。実際、「ポルシェ」はロンドン市に対して訴訟を起こしているんですって。しかし、行政はこの制度に興味津々。マンチェスターでも、この渋滞税を2013年に導入することが検討されているそう。

賛否両論ある渋滞税。今後、東京に導入されるかも含めて、ちょっと注目していきたいですね。 本場での値段を知りたいモノなどありましたら、投稿ボタンからリクエストおねがいします

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