世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

国産宇宙探査機の快挙!

2010.07.01 THU

理化学ドリル


写真提供/宇宙航空研究開発機構(JAXA) 写真は、数々の困難を乗り越えて地球に帰還した「はやぶさ」が、小惑星イトカワから持ち帰ったサンプラーコンテナ。6月19日に行われたX線検査では砂粒などの試料は確認できなかったが、0.1~0.01mm程度の粒子が採取されている可能性はある。今後数カ月~1年程度をかけて詳細に調査される予定
【問1】小惑星探査機「はやぶさ」が探査した小惑星は?

A. ケレス B. パラス C. イトカワ

【解説】 イトカワは地球と火星の間にある小惑星で、長さは540m。ピーナッツの殻のような形をしていて、重力は地球の10万分の1。名前の由来は、日本初のロケットをつくった「ロケットの父」故・糸川英夫博士だ。
ほとんどの小惑星は地球と火星の間ではなく、火星と木星の間の小惑星帯にあるが、イトカワは他の小天体との衝突などの理由により、現在の位置に移動したらしい。地球に近いので、小さなロケットで探査機を打ち上げることができ、また、イトカワの仲間の小惑星から地球に落ちてきた隕石が知られているため、イトカワの岩石を採取すれば比較研究ができることなどから、今回の探査目標になった。
はやぶさは数々の故障を乗り越え、7年間、60億kmの長旅を終え、今年6月13日、無事地球に帰還した。小惑星からの探査機の帰還は、世界初の快挙だ。

【問2】はやぶさの予算はどれくらい?

A. 3000万円  B. 127億円 C. 2100億円

[正解] 問1:C 問2:B


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、ミステリー作家としても活躍する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

はやぶさ後継機に“仕分け”の危機!?



127億円という金額は、小惑星まで旅し、砂を採取し、再び地球に戻ってくるという壮大なプロジェクトからすれば破格の安さだ。
ちなみに、はやぶさは「本番」ではなく、はやぶさ2という本格的な探査機のための実験機だ。つまり、イトカワから実際に砂を持ち帰ることが最大の目的ではない。
今回、はやぶさは、日本が独自に開発したイオンエンジンを使って、長距離の航行ができることを実証した。また、遠すぎて、地球からの命令がすぐには届かないため、イトカワに着陸する際は、オートパイロット機能を使ったが、これもすばらしい技術だ。そして圧巻は、オーストラリアの空に美しい花火のように散った探査機本体の大気圏再突入と、カプセルの分離および地球帰還である。
本番前の実験としては大成功だが、驚くべきことに、本番の「はやぶさ2」の予算は事業仕分けで仕分けられていた。2010年度予算が17億円から3000万円に縮小されたのである。うーん、いったい3000万円でどうやって本番の探査機をつくれというのだろう。国民に人気のある事業仕分けの悪口は言いたくないが、科学技術立国が科学技術の「芽」を摘んでどうすると、少々苦言を呈したくもなる。
お隣の韓国は、はやぶさ帰還の数日前に人工衛星搭載ロケットの打ち上げに失敗し、李明博大統領がリベンジを誓った。うかうかしていると、半導体と同じように、宇宙産業においても、日本は韓国に追いつかれ、追い抜かれるおそれがある。
アメリカなどと比較しても、はやぶさの予算はきわめて効率がいい。はやぶさ2を作るには160億円必要だ。世界に冠たる技術が廃れることのないよう、ぜひ、予算復活となってほしいものだ。

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