世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

自然界の酒豪選手権!

2010.09.02 THU

理化学ドリル


写真提供/Getty Images 日本に多数生息するコウモリも、生物界トップクラスの酒豪なんだとか。フラフラと蛇行しながら飛んでいても、決して酔っているわけではありません
【問1】「お酒」を飲む習慣のある動物は次の中でどれ?

A. ハネオツパイ B. シマリス C. ハリモグラ

【解説】 手のひらに乗ってしまうほど小さなこの生きものは、マレーシアの森に棲むツパイの仲間、ハネオツパイ。名前の通り、尾っぽが羽みたいな形をしているところがチャーミングだが、注目すべきは外見ではなく、その食性。なんと、天然のお酒だけを餌にして生きているのだ!
彼らが食べるのはブルタムというヤシの一種の花の蜜だけ。ブルタムの蜜は花の中で発酵していて、そのアルコール濃度は3.8%とライトビール並みなのだ。彼らはこれしか食べないらしく、毎晩、ブルタムの樹上バーで天然ライトビールを味わっているらしい。しかも(当たり前といえば当たり前なんだけれど)、ぜんぜん酩酊なんかしないそうで。365日毎食アルコールだけで酔いもしないって、どんだけ酒豪なわけ?
ツパイは人類の遠い祖先に似ているとの噂もある生きものなので、もしかしたら人類は、醸造技術を得る9000年前よりもずっと太古の昔から、夜な夜な宴会を開いていたのかもしれないねぇ。

【問2】この中で、お酒に強い生きものはどれ?

A. 犬  B. コウモリ C. サル

[正解] 問1:A 問2:B


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、ミステリー作家としても活躍する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

自然のなかには、酒豪に下戸にアル中まで!?



自然界には、ハネオツパイが飲む花の蜜のように自然に発酵してお酒になってしまう食べ物があちらこちらにあるようで、アフリカの「マルーラ」という木の実はかなりいい感じに発酵してしまうらしく、実が熟して落ちるころになると動物が木の周りに集合して大宴会を開くので有名(?)だ。糖分のある果物なんかは発酵してお酒になりやすいので、それを主食にする生きものの中には、ハネオツパイに負けず劣らずの酒豪がいるんじゃないかと探してみたら…いましたよ。コウモリです。
中南米に棲む熱帯性のコウモリは果物や果汁が主食なので、きっとアルコールを口にする機会が多いんだろう。研究者が行った実験では、酔っ払い飛行のはずのコウモリは障害物をものともしなかったという。この実験ではご丁寧なことに「ろれつが回らなくなっていないか」も調べていて、ほろ酔いコウモリが出す音波は、白面のときよりはちょっぴり怪しくなってるんじゃないの? と研究者たちは期待したらしいのだが…残念ながら、完璧だったそうです。
逆に、アルコールに耐性があまりないのは犬や猫。酔っ払う姿を面白がって飲ませたりする人もいるようだけど、アルコールを体重1kgあたり5~8ミリリットル摂取すると急性の中毒症状を引き起こすといわれているので、そーゆーことは絶対にやめましょう。
ではその中間、人間と同じように、飲めば酔っ払うけど一定のアルコール耐性があるのは…なんとハエ。ショウジョウバエを使った実験では、普通の餌とアルコール入りの餌ではアルコール入りの方をより好み、ハエが嫌いな物質を混ぜてもアルコール入りの方を選ぶ。そして時間が経つほどアルコール入りの方を欲しがるようになり、次第にアルコールなしではいられなくなってしまうのだとか。酒好きですねぇ。

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