知ってなるほど“お金”トリビア

第3回 お札にはなぜ肖像画が描かれているの?

2010.09.08 WED

知ってなるほど“お金”トリビア


お札の肖像画に選ばれるためには、特徴的なルックスもポイント。もっとも国民の代表になるので、偉大なる実績や功績が大前提なわけですが… イラスト/後藤亮平(BLOCKBUSTER)

歴代の登場人物に“ヒゲメン”が多い理由とは?



福沢諭吉、樋口一葉、野口英世など、お札に描かれている偉人たちの顔。あまりに見慣れているため、普段は何も考えずに使っていますが、そういえばお札にはなぜ肖像画が印刷されているのでしょうか。その理由を探ってみると、意外と奥深いことに気づかされます。日本銀行の資料によれば、そこには「偽造防止」「親近感」「判別のしやすさ」などの理由があるのだとか。

我々の目は人の顔を見分ける能力に長けており、顔が少しでもズレたりぼやけたりしているだけで違和感を持ちます。この特性を利用し、お札に肖像画を載せることでニセ札を見分けやすくしようというわけです。

また、人の顔には親近感を抱きやすく、覚えやすいという長所も。その象徴として、こんなエピソードがあります。18世紀後半に起きた「フランス革命」で、当時の国王だったルイ16世が国外逃亡をはかった際、国境近くのヴァレンヌという土地で地元の住民に発見され、パリへ連れ戻されて処刑されるという事件が起きました。

新聞もテレビもないこの時代に、しかも変装までしていたのに見つかってしまったそのわけが、お札の肖像画。当時のフランスのお金にはルイ16世の顔が印刷されており、国中にその顔が知れ渡っていたのです。人間がいかに顔を覚える能力に優れているかを物語る逸話ですね。 これまで日本のお札に肖像画が印刷された人物は16人(現行の二千円札の背景画の一部として描かれている紫式部をあわせると、全部で17人)にのぼります。最も多くのお札に登場したのは聖徳太子で合計7回。百円、千円、五千円、一万円と、様々な種類のお札に描かれた「日本銀行券の代名詞」ともいえる存在です(もっとも、現在発行されているお札からは姿を消しているので、R25世代にとってはなじみが薄いかもしれませんが…)。

お札に使用される人物の選定には明確な基準はないそうですが、偽造防止の観点から、特徴的で肖像画を複製しにくいルックスを持った人が選ばれやすいとか。板垣退助や夏目漱石、野口英世など、16人中、実に11人がヒゲをはやしたルックスに特徴のある男性ですが、背景にはこういった理由もあるようです。

ちなみに、これらの肖像画をデザインしているのは「工芸官」と呼ばれる職人たち。国立印刷局に所属する国家公務員で、紙幣のほかに国債や収入印紙などのデザインも手がけているそう。

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