世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

生物多様性ってなんですか?

2010.11.04 THU

理化学ドリル


写真提供/PIXTA IUCN(国際自然保護連合)が作成している絶滅の恐れがある野生生物のデータベース「レッドリスト」には、動植物含め1万7000種以上が掲載されている。サイ、チンパンジー、トラ、パンダ…など、動物園でおなじみの動物たちも野生状態では絶滅の危機に瀕しているのだ
【問1】地球上に存在すると推定される生物種のうち、現在、確認されている生物種の割合はどれくらい?

A. 約6% B. 約12% C. 約18%

【解説】われわれ人類は一見、この地球上で最も繁栄している生きもののようだが、実際は違う。本当の主役はもっともっと小さな生きものたち。昆虫や植物や菌類なのだ。設問では存在する生物種の数を3000万種としたが、この数はかなり控えめに見積もっている。少なくとも1億種はいると考える研究者もいるくらいで、もしそうだとすると、人類が確認している(ここでいう確認とは、人類によって発見・命名されていることを指す)生物種の数は総数の1%にも満たないことになる。ちなみに、生息する生物の種類が最も多いのは、陸地面積の7%程度を占めるにすぎない熱帯雨林だ。特に東南アジアと中南米の熱帯雨林は生物種の宝庫なのだが、現在、この熱帯雨林も生物種の数も、恐ろしい勢いで減少している。その主な原因は人間の経済活動(伐採、開発)だ。次の世代に大きな負債を残さないためにも、今、手を打つことが必要なのだ。

【問2】1年間に絶滅する生物種の数は、この100年でどれくらい増加した?

A. 400倍 B. 4000倍 C. 4万倍

[正解] 問1: A(3000万種のうち175万種) 問2:C


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、ミステリー作家としても活躍する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

生物多様性条約締結国会議の議題とは?



名古屋で開催されていたCOP10に関連して、あちこちで「生物多様性」という言葉が飛び交っているが、この言葉は、遺伝的な多様性を指す場合と、生態的な多様性を指す場合の2つの意味がある。どちらも多様性に富んでいてくれた方が、環境だけでなく人類にとっても何かと都合がいい。
遺伝的な多様性がなくなれば、ちょっとした環境の変化や病気のまん延でその種が絶滅してしまう可能性が高くなるし、種の多様性がなくなると、地球の環境を支えるシステムが瓦解する。どんな生きものも、その種だけでは生きていけない。周辺にすむ様々な他の生きものと関わり合いを持っていなければ存在できないのだ。
ところで、COP10とCOP15は全然違う。COP10は「生物多様性条約第10回締約国会議」の略で、COP15は「第15回気候変動枠組条約締約国会議」の略なのだ。COPは「締約国会議」という意味にすぎない。
生物多様性条約などというと、絶滅危惧種の問題を論ずるのかと思いきや、少なくとも今回の第10回会議については、論点は全く別のところにある。一言でいうと、この会議の焦点はカネなのである。
たとえば、発展途上国の密林で、新しい生物の遺伝子が発見され、それを先進国の医薬品会社が研究し、人工的に薬を作って、特許を取り、1兆円儲けたとする。その場合、発見の大本となった発展途上国は「オレたちにも分け前をよこせ」というにちがいない。分け前の何%を「原産国」に還元したらいいのか、何年前までさかのぼって支払えばいいのか…COP10の中心議題は、そういったドロドロとしたカネの問題なのである。どうりでニュースを聞いていても、何の会議かよくわからないわけですなぁ。

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