知ってなるほど“お金”トリビア

第12回 地域を活性化させる“新しいお金”?

2010.11.10 WED

知ってなるほど“お金”トリビア


こちらが「あだちエコネット事業」におけるペットボトル回収システムの使用例。カードをかざしてペットボトルを入れると、カードにポイントが貯まっていく 画像提供/トムラ・ジャパン株式会社

自分の意思で、使うお金を選ぶ時代に?



東京都の杉並区が、全国に先がけ、来年の秋から電子マネーによる地域通貨の運用を始めるというニュースがありました。

地域通貨とは、簡単にいえば「限られた地域でのみ使えるお金」のことですが、全国で使える通貨があるのに、なぜわざわざ限られた地域でしか使えないお金を導入するのでしょうか。『新しいお金』(アスキー新書)の著者である高野雅晴さんによると、こういった限定的な通貨は、これまでのお金にはなかった新しい可能性が秘められているそう。

「外部に流出することなく、その地域で消費されるのが地域通貨です。そのため、地域経済の活性化や新たな雇用の創出など、様々な効果が期待できるわけです」

こうした効果はすでに実証されていて、新宿区高田馬場の「アトム通貨」や千葉市西千葉の「ピーナッツ」などが成功例として有名だそうです。また地域通貨は、運用側だけでなく利用者にも新たな可能性をもたらすとか。

「使う側にとって重要なのは、応援したいと思う地域に対し、『お金を使う』という行為で主体的に貢献できるという点です。このように、使うお金を“選択する”ことで、自分が何に貢献したいのかを意思表示できる。これからの地域通貨は、そんな方向にシフトしていくと思います」 地域通貨に代表される「目的が限定されたお金」は、電子マネーやポイントなどのシステムと結びつくことで管理がしやすくなり、より多様化していくと高野さんは語ります。

「例えば私がかかわっている足立区の『あだちエコネット事業』では、使用済みのペットボトルをスーパーに設置された回収機に入れてリサイクルに協力することで、専用のカードにポイントが貯まるというシステムを実施しています。これは区内でのみ使えるポイント。つまり『エコで得をし、地域経済に貢献する』という仕組みですね。このように、特定の社会貢献をすることでもらえる“お得なお金”が、今後ますます増えるのでは?」

江戸から明治にかけて、日本にはいろんなお金が共存して混乱した時代がありました。それを収拾するために統一の通貨「円」が生まれ、便利な時代になったかと思いきや、再び多様化することで、今度は社会的な課題の解決を目指そうという時代になるとは…。

いやぁ、お金って本当に不思議なものですね! 「知ってなるほど“お金”トリビア」は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

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