世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

エイリアンがいる惑星は何個ある?

2010.12.16 THU

理化学ドリル


写真提供:Science Photo Library/アフロ 写真は、単体では世界最大となるアレシボ天文台(プエルトリコ)の電波望遠鏡。ここで得られたデータは、「SETI@home(セチ・アット・ホーム)」と呼ばれるプロジェクトによって世界数百万台のコンピュータに分配され、解析されている
【問1】米国の天文学者が約50年前に行った推定によれば、宇宙に知的生命体が暮らす惑星は、いくつある?

A. 10個  B. 100個 C. 1000個

【解説】先月、「地球外知的生命探査」(SETI〈セチ〉)が50周年の節目を迎え、世界12カ国の天文台が地球外知的生命からの電波を探査する、合同探査が始まった。十分に発達した文明は電波を発している、という考えを元に地球外知的生命を探査する計画は、50年前にアメリカの天文学者フランク・ドレイクが提唱した。当初はわずか12人の天文学者しか集まらなかったが、今では全世界で探査が行われるようになった。
宇宙人を探しているというと、怪しげな話に聞こえるが、れっきとした天文学者や物理学者が、世界最高水準の電波天文台で観測しているのだから、まじめな科学のお話なのだ。ところで、ドレイクは、地球外知的生命の存在確率を推定する「ドレイクの方程式」を発表している。その式によると、宇宙には知的生命のいる惑星が10個あることになる。

【問2】晴れた日に夜空を見上げると、何個くらいの星が見える?

A. 300個 B. 3000個 C. 30万個

[正解] 問1: A 問2:B


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、ミステリー作家としても活躍する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

知的生命体がいる惑星の算出方法とは?



ドレイクの方程式は、銀河系で(太陽のような)恒星が作られる割合、恒星に(地球のような)惑星が付随する割合、惑星上で生命が発生する割合、生命が発達して電波で通信を行う割合…という具合に、7つの項目を掛け算して、最終的に、宇宙には知的生命のいる惑星が10個ある、という答えが出る。
このように、いくつかの仮定を設けて、いろいろな数値の近似値を求める手法は「フェルミ推定」と呼ばれている。もともと原子核物理学者のエンリコ・フェルミが頻繁に使っていたことから命名された。物理学では普通に使われる手法で、正確な数値を求めるのではなく、「桁」を概算するのが目的だ。
このフェルミ推定、グーグルやマイクロソフトの入社試験によく出題されるせいか、最近、ビジネスの世界で一気に有名になった。入社試験では、パソコンも参考文献も使えない状況で、受験者の思考判断のプロセスを見るのに適している。
さて、晴れた日の夜、空を見上げると何個の星が見えるか、という問題もフェルミ推定の手法で解くことができる。もちろん、決まった正解はないのであるが、私だったら「星座」の数から推定する。(子供の方が覚えているかもしれないが、)星座は88個しかない。1つの星座には星が10個くらいある。だから、1000個くらいの星が見えるにちがいない。もっとも、星座に入っていないけれど見える星もたくさんあるだろうから、この数倍は見えるはず。そして最後に、地上からは半天しか見えないことも考慮する。すると、だいたい数千個という数字に落ち着くのだ(実測値も数千個である)。
フェルミ推定はこれからも入社試験に出題されるだろう。興味ある読者は、インターネットで検索して、自分で解いてみると面白いかも!

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