世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

大地震のエネルギー

2011.05.19 THU

理化学ドリル


記録に残っているなかで、人類が経験した最大の地震は1960年のチリ地震。マグニチュード9.5を記録したこの地震は、チリ全土を壊滅状態に陥れ、日本を含む環太平洋全域に甚大な津波被害をもたらした。写真は震災から50年を経て復興した、首都サンティアゴの現在の姿だ
写真提供/アフロ
【問1】1年間に世界で起きるマグニチュード5以上の地震のうち、何%くらいが日本周辺で起きている?

A. 約5%
B. 約7%
C. 約10%

【問2】恐竜絶滅の原因とされる小惑星が地球に衝突した時のマグニチュードはどれくらい?

A. 8
B. 11
C. 14

【解説】たとえば、マグニチュード8以上の地震は、平均すると、世界では1年に1回、日本では10年に1回起きている。世界の地震の10分の1が日本で起きている計算になる。
ちなみに、気象庁が震源を決めることができた地震だけで、日本では毎日、300回以上も地震が起きていることをご存じだろうか。大きな地震は稀にしか起きないが、小さな地震ほど頻繁に起きているのだ。
地震の最も大きな原因は、地球表面を覆う、12枚の「プレート」が互いに押し合ったり、沈み込んだりしてひずみが生まれ、岩盤がズレること。日本の場合、4枚ものプレートがぶつかり合ったり沈み込んだりしているせいで、世界一、地震が多いのだ。なお、日本を含む環太平洋造山帯についで地震が多いのは、アルプス・ヒマラヤ造山帯だといわれている。

[正解] 問1: C 問2:B


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、SF的な小説も執筆する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

科学技術で太刀打ちできない“自然災害”とどう向き合うか?



マグニチュードは地震のエネルギーをあらわしている。マグニチュード1は、TNT火薬500g分のエネルギーに相当する。マグニチュード2は、その約32倍。マグニチュードが1大きくなるごとに、エネルギーは32倍、マグニチュードが2大きくなるごとに、エネルギーは1000倍大きくなる。マグニチュードが2上がると「桁」が3つ上がることに注意していただきたい。
広島に投下された原爆のエネルギーは、マグニチュード6より少し大きい。1950年の伊豆大島の噴火はマグニチュード7.5に相当する。人類が作り出した最大のエネルギーは、旧ソ連が1961年10月30日に大気圏内核実験をしたRDS─220「ツァーリ・ボンバ」という水爆で、ほぼマグニチュード8.3に相当する。
隕石のエネルギーは、その質量に比例し、速度の2乗に比例する。たとえば、半径100mの隕石が、秒速20kmで地球に衝突した場合、マグニチュード9に相当する。6500万年前に恐竜を絶滅に追い込んだとされる隕石は、半径が5km以上と推測されており、マグニチュード10から12程度だと考えられている(速度によって大きく変わる)。これほど巨大なエネルギーになると、半径100kmもの巨大なクレーターができ、そこに海水が流入・流出するため、津波の高さも数百mになる。
こうやってエネルギーの大きさについて考えてみるとわかるのは、人類が作り出すことのできるエネルギーと比べて、自然界のエネルギーがいかに大きいか、ということだ。いくら科学技術が発達しても、自然の猛威の前に、人類の力は知れている。自然災害を食い止めるという、これまでの発想から、受け流して、被害を最小限に食い止めるような、発想の転換が必要かもしれない。

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト