世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

危険! 急増する食中毒

2011.08.18 THU

理化学ドリル


カンピロバクターの顕微鏡写真。ヒトや家畜に感染すると、発熱、下痢、腹痛などをおもとするカンピロバクター症と呼ばれる感染症を引き起こす。比較的潜伏期間が長いため、感染しても原因となった食品が特定されにくいのだとか
写真提供/Getty Images/S. Lowry/Univ Ulster
【問1】この10年、日本で最も多くの「食中毒事件」を引き起こした“犯人”は以下のうちどれ?

A. 腸管出血性大腸菌(O157など)
B. ノロウイルス
C. カンピロバクター

【問2】飲食店で生の鶏肉を食べると、カンピロバクターに感染する確率は1回の食事あたり何%?

A. 約2%
B. 約5%
C. 約8%

【解説】夏真っ盛りの今日この頃、気温が上がると多くなるのが食中毒だ。かつては食中毒といえばサルモネラ菌や腸炎ビブリオが主流だったが、最近はカンピロバクターがぐんぐんと数を増やしている。2001年には年間1880人だったカンピロバクターによる食中毒の患者数が、2008年ではなんと年間3071人まで増えているのだ。鶏肉を生で食べる機会が増えたこと、「鶏肉なら多少火が通っていなくとも安全」との思い込みが消費者にあるのが原因ではないかと推測されている。
もちろん、食中毒はカンピロバクター以外にも、(ユッケで大騒ぎになった)腸管出血性大腸菌(O111、O157など)だって怖い。鶏肉だけでなく、牛肉やそれ以外の肉の場合も、とにかく、生で食べない方がいい。肉を食べる際にはよく加熱することが発症を防ぐ最大の秘訣なのだ。

[正解] 問1: C 問2:B


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、SF的な小説も執筆する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

夫婦関係にも影響を及ぼす(?)食中毒の怖ろしさ



今回はちょっと趣向を変えて、竹内薫の体験談である。2年前の夏、僕は妻とベトナム旅行に出かけた。世界遺産は凄かったし食べ物は美味しかったが…食事はなるべく衛生的な所で、と主張する僕に対し、妻は屋台やローカルな食堂に平気で入る。そして躊躇する僕に「ねえ、これ美味しいよ!」と容赦なく危険な(ように僕には見える)ローカルフードを押し付けるので、僕のベトナム旅行は「大冒険」と化した。そして、案の定、帰国後に、僕は40度近い発熱と腹痛、酷い下痢に襲われたのであった。
「絶対、絶対、最終日の屋台の飲み物のせいだ」「え?、アタシは平気だよ」「俺はデリケートなんだよ」「帰ってきてから食べた中華じゃないの?」「いーや! 絶対あの不衛生な屋台に決まってる!」
旅行先が真夏の東南アジアとくれば、やはりコレラや赤痢といった病名が頭をよぎる。発熱も下痢も一向に収まる様子を見せないので、次の朝一番で市立病院へ行った。僕はフラつきながら検査と診察を受け、自宅で検査結果を待つことに。「俺、家にいていいの?」「大丈夫でしょ。水分とって寝てなよ」。僕を病原体にさらした(かもしれない)張本人のくせに、妻は、いたってのんきであった。そして数日後、検査結果を知らせる電話がかかってきた。
「カンピロバクターが犯人だってさ。鶏肉によくいるそうだ」「鶏肉?それ、帰国してから食べた中華の『鶏肉とカシューナッツ炒め』じゃないの? アタシ食べてないもの」「そ、そうだっけか」「散々アタシのせいにしやがって!」「いや、その、だから、いや、やめてえぇぇぇ…」。
カンピロバクターによる食中毒のピークは5月から7月といわれているが、冬季でも発症する危険がある。お肉は充分加熱してから食べましょう!

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