世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

生きもの界のご長寿No.1は?

2011.09.15 THU

理化学ドリル


チョウザメはサメではなく、チョウザメ目チョウザメ科の魚の総称。長寿に加えて体が大きくなることでも知られ、写真のオオチョウザメでは、体長7m、体重1400kgの個体が捕獲されたこともある
写真提供/Joel Sartore/getty images
【問1】以下の動物について、現在までに記録された長寿記録を長い順に並べると?

(A)ゾウ → チョウザメ → ウナギ
(B)ウナギ → ゾウ → チョウザメ
(C)チョウザメ → ウナギ → ゾウ

【問2】俗に「不老不死」ともいわれ、若返りを繰り返す生きものは?

(A)ベニクラゲ
(B)ハマグリ
(C)ウニ

【解説】上に挙げた3種それぞれの(記録上の)最長寿命は、ゾウで80年、ウナギが88年、チョウザメはなんと152年。高級食材キャビアのお母さんとして有名なチョウザメは、名前に「サメ」がついているがサメではなく、鱗の形が蝶に似ていること、体の形がサメに似ていることから、この名前になったとか。およそ3億5000万年前からほとんど姿を変えていない古代魚なので、長寿なのもうなずける気がする。メスが性成熟するまでには15~20年くらいかかり、生涯のうちに何度も産卵する、まるでほ乳類のような一生を送るちょっと不思議な魚だ。
ちなみに、最長寿命が最も短い脊椎動物はタツノオトシゴの4年7カ月で、なんとハツカネズミの6年を下回っている! ハツカネズミが最長6年も生きた、という事実にもびっくりするが、同じ魚類のチョウザメが100年超、フナですら30年であることを思うと、なんだかはかなすぎますなぁ…。

[正解] 問1: C 問2:A


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、SF的な小説も執筆する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

老化と若返りを繰り返す不老不死クラゲ!?



またまた不老不死だなんて、分裂して世代交代でもするから不老不死とかって言うんじゃないの? などと眉につばをつけて読んでいる方も多いと思うが、このベニクラゲの一生、ちょっとびっくりなのです。
クラゲは卵から孵るとプラヌラ幼生となり、幼生は岩などに定着してイソギンチャクみたいな形のポリプになる。それがペラペラと薄くはがれてたくさんの赤ちゃんになって、やがて大人になる、という、そもそも変わった一生を送る生きものなんだが…ベニクラゲの場合は、大人の個体が縮まったり裏返ったりしながら海底に沈んでいって再び岩などに付着し、ポリプに戻ってしまうのだ! ポリプに戻った大人クラゲは再び赤ちゃんになり、その赤ちゃんクラゲが成長して大人になるとやがてポリプに戻り…と、これはまさに不老不死のループではないか! 普通のクラゲは有性生殖を終えると死んでしまう。でもベニクラゲは繁殖後の個体がポリプに戻ることが確認されているわけ。
ベニクラゲは体長5mm程度の小さなクラゲなので、捕食者に食われてしまうこともあるから決して不死ではない。でも、不慮の事故がない限り、老衰で死ぬことはなく、赤ちゃんに戻って再出発できるのだ。この不老不死クラゲは当初、地中海にしか生息しないと思われていたが、なんと日本の鹿児島でも存在が確認されていて「かごしま水族館」に行けば会えるそうです。若返りの回数に限度があるかどうかはまだわかっていないが、世界最高記録は2011年現在で9回目を数え、まだ更新中とのこと。
残念ながら、ベニクラゲの不老不死的生活環はまだ研究途中で謎が多く、人の寿命に応用するなんて、夢のまた夢。人類を含む多くの生きものは限られた寿命を全うするしかないようですな。

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