まさかの新エネルギー?

発電できるデンキな生き物

2011.09.30 FRI


デンキウナギは頭のすぐ後ろに肛門がある。つまり胴体は非常に短く、その後ろの尾には発電板がビッシリ。ちなみに蒲焼きのウナギとは全く別の種類 ※クリックで展示の様子 画像提供:新江ノ島水族館
電気についていろいろ考えさせられた今年の夏。暑さでぼ~っとした頭に「安全で継続的な電力供給源として“発電する生き物”を使うアイデアはアリかも」なんて妄想がよぎった人もいるかもしれない。彼らに再生可能エネルギーの夢を託すことはできないものだろうか?

比較的新しい研究成果によると、2010年にイスラエルの研究チームが、オリエントスズメバチというハチが太陽光発電を行うことを確認している。ただ発電効率は非常に低く、発電の目的など不明なことが多いという(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイトによる)。

このハチ以外で発電が確認されているのは魚だけ。ただその種類はいくつかあるようだ。クリスマスにデンキウナギの発電を利用したツリーの点灯を行っている、新江ノ島水族館で発電する魚について聞いてみた。

「発電する魚は、発電力によって弱電魚と強電魚に分けられます。弱電魚はエサや障害物の存在など周囲の状況を感知する“レーダー、もしくは仲間どうしのコミュニケーション手段”として電気を使うんです。ギムナルクスやエレファントノーズフィッシュの仲間、ゴーストフィッシュの仲間などが知られていますね」(新江ノ島水族館学芸員・今井さん)

そもそもは視界の悪い場所で生きるためにこのような発電器官を発達させてきたという。

「強電魚はさらに強い発電力を持ち、その電気を主に補食や防衛時の武器として使います。シビレエイが60V、デンキナマズは300V、そして南米生まれのデンキウナギは最大800Vの電気を出します」(同上)

生息地ではその電撃で馬をも倒すといわれているみたい。いったい、どういう仕組みになっているのでしょうか?

「発電する魚は体内に微弱な発電をする板状の細胞組織を持っています。デンキウナギはそれを何千枚も重ねることで強い電力を生み出しているんですよ」(同上)

ちなみに世話をしている最中に、デンキウナギの“本気じゃない”電撃を喰らってしまったこともあるとか。

「ビリビリしびれた、というよりも水に浸かっている部分をすべて“殴られた”ような感じ。痛みよりも衝撃を感じました」(同上)

そんな強烈な電撃を放つデンキウナギだが、電流も流れる時間もごくごくわずか。人間が電力として利用できるようなものではないらしい。

でも、こちらの水族館を始め、デンキウナギの発電を使ってランプを光らせる展示をしている水族館、けっこうありますよね?

「当館ではデンキウナギの発した微弱な電気を増幅させて、直接LEDを光らせることに成功しています。でも一般的にデンキウナギの発電は、発光回路のスイッチの役割を果たしているだけなんですよ」(同館広報・三縄さん)

うわ~、あれはウナギの力のみで光っていると思っていました。この情報もある意味電撃ショック!

どうやら「発電する生き物で新エネルギー」なんいうのは、ありえない話のようで…。

(Hzノミヤ)

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