どつくツッコミは日本独自カルチャー

笑いのツボも“ガラパゴス”日本vs.世界のお笑い事情

2011.11.02 WED


欧米のコメディアンは1人で活動している人がほとんど。パーティの司会などを兼ねていることも多いとか
写真提供/Getty Images
僕たちが普段見ているお笑い芸人の多くはボケとツッコミに分かれた掛け合い漫才。実はこれ、海外ではほとんど見られないスタイルなのだという。

「海外のコメディアンは、基本的に1人でしゃべることがほとんど」と言うのは、ジョークの文化比較について研究している、獨協大学外国語学部交流文化学科の日野克美教授。この違いは日本人独特の気質が原因ではないか、という。

「日本人は会話の際に相手に合わせて話をする傾向にあります。そのため笑いに関しても、ツッコミとボケの2人による掛け合いが笑いを生みやすいのでは」

一方、個人の意見を尊重する欧米では、笑いも1人で完結させる形が一般的だという。

「そのため、漫才でいうツッコミ役はあまり必要だと思われていないようですね」

むしろ、激しくツッコむ人は「自分の主張に口を挟んでいる」と映り、不当な攻撃と思われかねないとか。

「特に、“どつく”ツッコミは絶対にご法度。日本と笑いの感覚が近く、漫才スタイルが定着しているアジア諸国でも受け入れられません」

地続きの隣国との領土争いを多く経験している海外では、島国日本と比べて肉体的な接触にナイーブなのが、その理由と考えられるそう。では、どんな笑いなら欧米でも受け入れられやすいのか?

「それは国によって変わります。例えば、多民族・多宗教が混在するアメリカでは、文化的背景が違っても伝わるシンプルな笑いが好まれます。ただ、自分をネタにする笑いならば、比較的不快感なく聞いてくれるはず。おすすめは落語や漫談です。私も欧米人相手に英語で漫談をしたことがありますが、ウケは上々でしたよ」

僕たち日本人は、相手のツッコミを期待して、“あえてボケる”ことで笑いを誘うことも少なくない。だが、このスタイルは欧米人相手にはなかなか伝わりにくいようだ。
(森石豊/Office Ti+)


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