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「写実的な背景」で漫画家が激論

2011.12.06 TUE

噂のネット事件簿


“写実的な背景”に関する議論のきっかけとなった江口寿史氏の発言。約3日間にわたってこの問題についてツイッターで議論が展開された ※この画像はサイトのスクリーンショットです
『ストップ!!ひばりくん』や『すすめ!!パイレーツ』で知られる漫画家の江口寿史氏が、若手漫画家が描く“写実的な背景”について、作品を名指しで批判したことをきっかけに、ツイッター上で有名漫画家たちがそれぞれの意見をぶつけ合う事態に発展した。

最初のつぶやきは11月29日から30日に日付が変わる直前のこと。江口寿史氏(@Eguchinn)が「ああもう、背景が写真や映画そのもののような漫画は死ぬ程うんざりだ」とつぶやき、さらにその後、「俺がさっき言ったのは『アイアムヒーロー』や『おやすみプンプン』のような背景のこと」(原文ママ。正確には『アイアムアヒーロー』)と具体的な作品名を挙げたのだ。

江口氏が「うんざり」だといっているのは、写真をトレス(模写)したものや、写真をパソコンに取り込み加工した背景のこと。それらについて「あれが漫画だと言うのなら漫画の魅力はこの先どんどんなくなっていくだろう」とつぶやくと、『ツルモク独身寮』の作者である窪之内英策氏(@EISAKUSAKU)からも「鬼同意です。あれは《加工》であって《作画》ではないです」との意見が投稿された。

さらに、批判の対象となった『おやすみプンプン』の作者・浅野いにお氏(@asano_inio)が「まさか今更絵柄に文句を言われるとは思わなかった。色んな技法があっても僕はいいと思うのだけど」と反応。すると、ほかの有名漫画家たちからも“写実的な背景”についての意見が投稿されたのだ。以下は、それら意見の一部。

とり・みき氏(@videobird)
「背景が写実的であろうとなかろうと、要はその絵の選択がその作品内容・世界に奉仕しているかどうかが大事(単に絵柄が合っているかどうかだけでなく、キャラタッチとのギャップも逆説的な効果を生む場合があるので要注意)。だから絵だけを取り出して語るのは危険。話と合わせて判断しないと」

ゆうきまさみ氏(@masyuuki)
「僕はあれ作風に合ってると思うけどな。ただ、舞台装置としては使いづらそうな気がする」

TAGRO氏(@TAGRO)
「浅野いにおさんの背景は十分漫画に落とし込めてる。絵として味があるよ? 氏の漫画の説得力に貢献してるし、キャラが背景に馴染んでる。技術的な事を言えばキャラとの縮尺やパースも正確。漫画論じゃなく好き嫌いでしょ」

佐藤秀峰氏(@shuhosato)
「昨日の江口さんとかいにおさんの話は、元お洒落野郎が現お洒落野郎に嫉妬しただけだと思う。 現役が偉いに決まってるよなぁ…」

ここで紹介した漫画家のほかにも、さそうあきら氏、カサハラテツロー氏、いしかわじゅん氏なども、ツイッター上での議論に参加。議論は12月3日の昼ごろまで続き、ツイッターのまとめサイト「Togetter」でも複数のまとめが作られたほか、2ちゃんねるでも複数の板にスレッドが立つなど、ネット上の大きなトピックとなった。

最終的には、江口氏が自らの意見を語りつくしたことで、一応の区切りとなった今回の議論だったが、有名漫画家たちがざっくばらんに意見を交換したという点で貴重な出来事だったといえるだろう。そんな様子を目撃して喜んでいる漫画ファンも少なくなさそうだ。

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