名前の不思議調査隊/第6回

もしも名前を変えたくなったら…

2011.12.21 WED


簡単ではないが理由が認められれば改名は可能。毎日悩むくらいなら家庭裁判所への申し立てを検討してみては? イラスト/カセユミコ
大抵の人は、生まれた時につけられた名前で人生を送ると思いますが、なんらかの理由で名前を変えたくなる人も稀にいるようです。しかし本名を別のものにするのは難しいのではないでしょうか?

「そうですね。どんな理由でもほいほいOKというわけではありません。そもそも名前を変更するためには家庭裁判所の許可が必要になるんですよ」

そう語るのは弁護士の津田雄己氏。では家庭裁判所の許可が必要というからには、何か難しい条件を満たさなければならないんですか?

「名前を変更するには“名の変更許可申立書”を提出しなくてはいけないのですが、そこには申し立ての実情という欄があります。平たくいえば“名前を変えたい理由”を記す欄なのですが、ここに挙げられている項目は『奇妙な名である』『むずかしくて正確に読まれない』『同姓同名者がいて不便である』『異性とまぎらわしい』『外国人とまぎらわしい』『神官・僧侶となった/やめた』など。さらに名の変更を必要とする具体的な事情を書き込む欄もあります。その二つを考慮して正当な理由があると認められる場合に許可が下されるのです」

ほほう。つまり“気に入らないから”とか、“心機一転したいから”では名前を変えられないんですね。

「そういった理由だとまず無理です。『名前の変更をしないと社会生活に支障をきたすか否か』というのが、家庭裁判所の判断基準であり、個人的趣味、感情、信仰心などに基づく希望のみでは難しいとされています」

それでは名前ではなく名字の変更はどうなんでしょう? もっと難しいと思われますが…。

「名前は個人の問題ですが、名字は同じ戸籍に入っている人全員にかかわる問題。家庭裁判所の管轄であるというところは同じですが、姓は社会生活に“著しい”支障をきたす場合にのみ変更できるとされていて、名前の変更よりもさらに難しいです。家族全ての姓が変更されるので、同じ戸籍に入っている15歳以上の家族全員の同意も必要です。ちなみに20歳以上なら戸籍から分籍し、自分だけ名字を変更するということもできなくはないですが、どちらにしてもよっぽどの理由が必要でしょう」

書類の提出だけで済まず、正当な理由があるか家庭裁判所のジャッジまで求められる名前の変更。いつか子どもの名前を付ける時がきたら、ずっと気に入ってもらえるものを考えようと、改めて思ったのでした。

(山葉のぶゆき/effect)

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