世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

今世紀最大の日食ショー!

2012.04.19 THU

理化学ドリル


金環日食が日本で観測されるのは、沖縄県で観測された1987年以来のこと。今回ほど広い範囲で観測できるのは、平安時代以来のことらしい。直接太陽を見ると目を傷めるので、専用の観察メガネを使用するか、ピンホールで影を投影するなどして観察しよう
写真提供/PIXTA
【問1】5月21日、日本では25年ぶりに訪れる「金環日食」の持続時間について、以下のなかで正しいものは?

(A)東京約6分、名古屋約9分半、大阪約11分 
(B)東京約5分、名古屋約3分半、大阪約3分 
(C)東京約4分、名古屋約6分半、大阪約8分

【問2】 日本で次に金環日食が見られるのはいつ?

(A)2030年
(B)2035年
(C)2041年

【解説】そもそも日食はどうして起きるのだろう? 簡単な説明は「太陽と地球の間に月が挟まれるから」。太陽は大きく、月は小さい。でも、太陽は遠くにあり、月は近くにある。だから、この2つが重なったとき、地球からは、ほぼ同じ大きさに見えるのだ。日食は、地球表面に落ちる、月の影にほかならない。
5月21日は、たとえば大阪では太陽の94.4%が欠ける金環日食が、7時28分28秒から3分弱続く。同様に、名古屋では太陽の95%が欠ける金環日食が、7時29分41秒から約3分半。また、東京では太陽の96.9%が欠ける金環日食が、7時32分ころから約5分間続く。
関東から九州南部にいたる広い帯状の地域で金環日食が見られるわけだが、直接見ると目を傷めるので、事前に専用の観察メガネを購入しておくといいかもしれない。

[正解] 問1: B 問2:A


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、SF的な小説も執筆する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

天文学の進歩で実現した、世紀の天体ショー



設問2の3つの数字を説明しておこう。2030年には北海道で金環日食が見られる。また、2035年には皆既日食、2041年には北陸から東海地方にかけて金環日食が見られる。いずれにしろ、今年の金環日食は、なかなかやって来ないビッグチャンスであることがわかる。
ところで、なぜ、金環日食になったり皆既日食になったりするのだろう? 実は、月が地球を回る軌道も、地球が太陽を回る軌道も、完全な円ではない。ほんのちょっと楕円になっていて、中心もずれているから、距離が遠くなったり、近くなったりする。
そのため、地球から見て、月が近くにあり、太陽が遠くにあると、月の方がちょっぴり大きく見えるので皆既日食になる。逆に、月が遠くにあり、太陽が近くにあると、太陽の方がちょっぴり大きく見えるので金環日食になる。
日食は古来、世界各地で不吉な前兆とされていた。日本でも、『天地明察』(冲方丁著)などを読むと、渋川春海のような天文暦学者が、天文観測と数学を組み合わせ、血のにじむような努力を重ねて、日食を計算しようと頑張っていたことが描かれている。
現代は天文学が発達し、事前に、いつどこでどのような日食が見られるかがわかるようになった。日食は、もはや不吉な前兆ではなく、科学的な事実であり、大人も子供も天体ショーを楽しむことができる。
金環日食が日本の広い範囲で見られるのは珍しい。そのため、旅行会社のツアーもたくさん企画されている。ぜひ、ご自分の目で、幻想的な「金環」を見てみてください。ただし、日食は計算できても、5月21日の天気は計算できない。快晴になることを祈るばかりである。

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