日本1周ご当地不思議巡り/第3回

栃木県ヨーグルト消費量1位の秘密

2012.05.09 WED


栃木県民にはなじみ深い乳製品「関東・栃木レモン」。今ではヨーグルトをはじめ、クッキーやキャラメルなどにも展開され、栃木土産としても定番商品です
栃木といって思い出す食べ物といえば、いちご。同県産のいちごブランド「とちおとめ」を食べたことのある方も多いのでは? 栃木県のホームページによると、同県は昭和43年産から平成22年産まで、43年間連続でいちごの生産量“日本一”を誇ります。

一方、同県の消費量で注目したいのが「ヨーグルト」。平成21年度の総務省地域品目別1世帯当たり1か月間の支出(2人以上の勤労者世帯)によると、栃木県はヨーグルトの支出が全国1位なのです。    
また、農林水産省の農林水産統計(平成24年2月)によると、栃木県における生乳生産量は北海道に次ぐ全国2位。栃木県民のヨーグルト好きは、乳製品の一大生産地という背景もあるのでしょうか?

実際、県内のスーパーへ足を運んでみると、売り場には約50種類ほどのヨーグルトが並んでいるではありませんか。大手ブランドから、ご当地ブランドまでその種類の豊富さからも、栃木県民のヨーグルト愛好ぶりは間違いなさそうです。

なかでも、栃木オリジナルヨーグルトといえば、「関東・栃木レモンヨーグルト」。これは、宇都宮市の老舗生乳メーカーが第二次世界大戦後、間もない頃に開発し、売れ筋商品となった「レモン牛乳」の姉妹商品です。製造販売元・栃木乳業の広報担当者に聞いたところ、2009年発売当初、注文が殺到し、すぐさま品薄状態に陥ったほど人気を博したとのこと。

また、ヨーグルト消費量が高い栃木県では、ヨーグルトを作る習慣も根付いていたという。その原点ともいえるのが、栃木県芳賀郡益子町。益子焼の産地として全国に知られていますが、益子焼を語るのに欠かせないのが、日本の陶芸家で人間国宝の故濱田庄司氏。世界を股に掛けて活動していた濱田氏の自宅の食卓には、海外の料理が並ぶことも少なくなかったといいます。美術出版社の『理想の暮らしを求めて 濱田庄司スタイル』によると、

「庄司は大変な健啖家であった。各地で気に入った料理を益子で再現して濱田家の定番レシピとし、家族や来客や職人達にたっぷりと振る舞った」(原文引用)

のだとか。そして、濱田氏が海外から取り入れた食べ物のひとつが、「ヨーグルト」だったのです。1970年代後半、渡欧した際に現地で食べたヨーグルトの味が忘れられず、都内のブルガリア大使館からヨーグルトの種菌を分けてもらったのだそう。こうして濱田家ではじまった自家製ヨーグルトは、当時のお手伝いさんや出入りの職人さんたちにも種菌が分けられ、広まっていったというわけです。

それにしても、栃木ではその豊富な種類ゆえ、自分好みのヨーグルトを探し出すのも大変そう。ヨーグルト好きにはたまらない県ですね。
(長谷川浩史/梨紗)

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