日本1周ご当地不思議巡り/第6回

石川県民は無類の甘いもの好き?

2012.05.30 WED


石川県民に大人気のご当地アイス。金沢市の金沢港近くの五郎島地区でとれるサツマイモを利用していて、なんだか本物のお芋を食べているようでした
日本海に面し、富山湾にも接する石川県は、ブリやホタルイカ、ノドグロなどの魚介類に恵まれています。「平成21年度の総務省地域品目別1世帯当たり1か月間の支出」(2人以上の勤労者世帯)によると、石川県のすし(弁当)消費量は堂々の全国1位。県人口の約3分の1を占める金沢市は回転寿司の激戦区で、回転寿司に使用されているベルトコンベアのトップメーカーも本社を置くのだとか。

そんな石川県ですが、実はもうひとつ、同県はある食べ物&飲み物が大好きという特徴があります。それは何か?

コーヒーとお菓子です。
先にあげた支出データによれば、同県の支出額ランキングはそれぞれ以下の通り。

コーヒー    ・・・第1位(496円)
コーヒー・ココア・・・第5位(910円)
菓子類     ・・・第6位(6901円)

さらに、今度は「平成23年度の総務省家計調査」(1世帯当たり年間の品目別支出金額)で、県庁所在地・金沢市のデータを調べてみると、お菓子好きを裏付けるデータがいくつも見つかりました。。

和生菓子(ようかん・まんじゅうを除く) …第1位(1万4044)
カステラ …第2位(1330)
チョコレート …第2位(6142)
アイスクリーム・シャーベット …第2位(8255)
ケーキ …第4位(6868)


どうやら石川県民の「コーヒータイム」はかなり充実(?)している模様。それにしても、なぜ彼らはこれほどまでにお菓子好きなんでしょうか? 早速、県内でヒアリング調査を開始。すると、石川県では和菓子を中心とした菓子文化が昔から根付いていることが分かりました。お彼岸のおはぎや、お祝いの際の紅白まんじゅうはもちろんのこと、季節や人生の節目にそれぞれ和菓子が登場するそう。例えば、お正月には「福梅」というもなかや「辻占(つじうら)」というお菓子、春の節句には砂糖でできた「金花糖」、夏には「氷室饅頭」というように。また、安産を願う「ころころ団子」や、婚礼の際の「五色生菓子」などもあります。

そして、この菓子文化が生まれた背景には、石川県滞在中に幾度となく耳にした加賀藩主・前田家の存在がありました。戦国武将として名高い前田利家をはじめ、歴代の藩主が茶の湯に大きな関心を持っていたそう。加えて、利家やその息子の利長は千利休の直弟子だったともいいます。このため、茶の湯に欠かせない菓子の需要が増え、発展していった模様。

さらに、真宗王国といわれる信仰心の厚い土地柄が、一般庶民への菓子文化の浸透を後押ししました。浄土真宗寺院及び門信徒において最も大切な法要行事とされる「報恩講」の際に和菓子が盛大に供えられ、それらは仏事の後、参加者に分け与えられ、門徒の楽しみともなっていたそうです。

こうして、お茶の文化や和菓子を食べる習慣が、時代の変化とともに、コーヒーや洋菓子も取り込んで広がっていったよう。たまたま、私たちが石川県に滞在中の5月9日は「アイスクリームの日」でした。明治2年5月9日に日本で初めてアイスクリームが製造販売されたことに由来しているそうですが、金沢市内では毎年デパート前で1000個のアイスクリームが無料配布されるんだとか! 道中出会った金沢市在住の男性(36歳)は毎年、子供に交じってアイスを獲得しているそうです。

それにしても、石川県は雪の多い地域。アイスなんてあまり好きではないと思いきや、ヒアリングしたほとんどの家庭で冷凍庫にはいつもアイスクリームの買い置きがあると聞きました。なんでもアイスクリームの特売日に買い置きしておくんだそう。「冬にこたつの中で食べるアイスが格別!」なんて声も聞きましたよ。

どうやら石川県民は筋金入りの甘党のようですね。甘いもの好きの私たちにとって、石川県の滞在は甘~い思い出となりました。
(長谷川浩史/梨紗)

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