世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

世界で一番暑い場所

2012.08.02 THU

理化学ドリル


写真はアフリカ北東部に位置するジブチ共和国。とくに6~9月が酷暑の季節で、「ハムシン」と呼ばれる北からの熱風が吹くという(参考:独立行政法人国際協力機構 HP)
写真提供/ロイター/アフロ
【問1】観測史上、世界一高い気温を記録した都市は

(A)バスラ(イラク)
(B)デリー(インド)
(C)ダロール(エチオピア)

【問2】世界一平均気温の高い国は?
(A)ジブチ
(B)モロッコ
(C)ザイール

【解説】イラクのバスラでは、1921年7月8日に58.8℃を記録した。60度近い気温なんて想像もつかないが、おそらくサウナに入っているようなものなのだろう(サウナは100度ともいわれているし、湿度も高いが…)。
温泉好きの日本人でも、58.8度のお湯につかっていたら、火傷してしまうだろう。でも、60度や100度の気温で火傷することはない。いったい、気温と水温とで何が違うのだろう?
実は、空気と水とでは「熱伝導率」、すなわち熱の伝わりやすさが違うのである。空気は熱を伝えにくく、水は熱を伝えやすい。だから、100度の空気の中にいても(あまり長時間でないかぎり)火傷はしないが、100度のお湯がかかったらすぐに火傷をしてしまう。また、空気中では、汗が蒸発するときに熱を奪うことも、体温上昇を防ぐのに役立っている。

[正解] 問1: A 問2:A


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、SF的な小説も執筆する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

生きるのに快適な気温、最適な体温は?



国全体の平均気温のデータを探してみると、たとえば日本の気象庁は「何度」というように具体的な数値を発表していない。その理由として、そもそも正確な見積もりが困難であることと、地球温暖化
や気候変動を監視する上では重要でないことがあげられている。たしかに、北海道と沖縄の気温を1年にわたって平均しても、あまり科学的に意味がないかもしれない。
話は変わるが、人間は恒温動物なので、大人の場合、だいたい37度くらいに体温が保たれている。なぜ37度なのか不思議だが、人類の長い進化の過程で、食べ物を酵素で分解してエネルギーに変えるために「最適な温度」として定着したのだろう。体温が42度を超えると酵素がうまく働かなくなって代謝に悪影響が出てしまう。
風邪を引いて熱が出るのは、わざと体温を高くして、免疫を高めて細菌をやっつけるためだが、それでも40度の熱といえば、学校や会社を休んでも怒られないほどの高熱ということになる。
体温の上限が42度というのはいいとして、逆にどれくらいの低体温まで人間は耐えられるのだろうか。様々な条件があるので一概にはいえないが、体温が20度になると心臓が動きにくくなり、直接、生命に危険が及ぶといわれている。人間は20度から42度の体温でしか生存できないのだ。
体温を37度に保つために、人間は、身体のエネルギーの75%以上を使っている。今年の夏は、エアコンの設定温度を上げている会社も多いようだが、そのぶん、あなたの身体は猛烈にエネルギーを消費して体温調節をしなくてはならない。「エコ」も大切だが、夏の暑さは身体に負担を強いる。くれぐれも夏バテにならないよう、涼み方を工夫して乗り切ってください!

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