世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

火星移住への第一歩!?

2012.10.04 THU

理化学ドリル


グランドキャニオンと見紛う風景だが、これは2012年8月27日にNASAが公開した火星の写真。火星探査機キュリオシティ号は17個ものカメラを備え、高解像度の画像データを地球へ送り続けている
写真:MSSS/JPL-Caltech/NASA/AP/アフロ
【問1】火星探査機キュリオシティは火星でどれくらい活動する予定?

(A)最低でも1火星年(2.2地球年)
(B)最低でも0.5火星年(1.1地球年)
(C)最低でも0.2火星年(0.5地球年)

【問2】火星の平均表面温度は?
(A)-13℃
(B)-43℃
(C)-73℃

【解説】これまで何度も火星探査機は活動しており、以前もスピリット号とオポチュニティ号がたくさんの画像を送ってきたが、今回の画像にはNASAの科学者たちも驚きの声をあげている。なぜなら、そこに映し出されたのは、我々の地球上にあるグランドキャニオンのような光景だったからだ。
今回の火星探査の一番の目的は「火星に住めるかどうか」を確認すること。大量の水によって形成された地球のグランドキャニオンとよく似た光景が火星にある、ということは、火星のその光景も「水」によってできたのではないか? と推測できる。そして過去に火星にも水があったなら「生命」も? という期待が広がる。1火星年の間にキュリオシティ号が移動できるのはおよそ19kmなので、その範囲内に水と生命の痕跡があることを願うばかりだが…「地球外生命の発見」という夢も載せて、キュリオシティ号は今日も走る!

[正解] 問1: A 問2:B


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、SF的な小説も執筆する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

生きるのに快適な気温、最適な体温は?



今回の火星探査機キュリオシティ号の正式なミッション名は「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」。つまり、火星科学研究室である。この探査機には高画質のカラー写真を撮影できるカメラ、岩や土壌を蒸発させてスペクトル分析をするレーザー光線、岩石を掘削するドリルなど、様々な観測機器が搭載されている。今回の主なミッションは、生命を保持する水を探すことだが、もし本当に水が発見されれば、いずれ行われるであろう有人火星探査計画に弾みをつけ、さらには「テラフォーミング計画」も現実味を帯びてくるだろう。
「テラフォーミング計画」とは、簡単に言うと「火星を地球みたいな緑の星に変えてしまおう」という、ちょっと乱暴な計画だ。火星表面は真冬の南極並みの寒さという厳しい環境だが、どうにかして気温を上昇させられれば、この乾ききった荒野を草原にできるのではないか、やがては人類も移住できるのではないか、と考える科学者たちがいる。いつか地球に住めなくなったとき、新たな植民地として火星が使えるとなれば、たしかに心強い気もするが…本当にそんなことが可能なのだろうか?
実は、火星の極には大量の氷らしきものの存在が確認されている。気温を上げてこの氷を溶かすことができれば、それを利用して土壌を改良し、植物を植えて酸素を発生させ、大気組成を地球のものに近づけることができる、というわけ。気温を上げる方法としては、温室効果ガスを使うとか、極のところに黒い物体を置いて太陽の熱を吸収させるとか、様々な案が出ているのだが、どれもあまり現実的とは言えない。それに、テラフォーミングが成功しても、人類が住めるようになるのはどんなに早くても1000年後…うーん、これはまだまだ、夢物語の域を出ませんかな。

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