生誕110周年!名だたる映画監督が称える名匠

世界で絶賛。映画監督小津安二郎

2013.02.21 THU


小津安二郎監督。おしゃれでダンディだったという監督は美意識も高く、小道具や衣装のスタイリングまで「小津好み」を通した (c)松竹
日本映画界が世界に誇る名監督、小津安二郎。生誕110年の今年、ベルリン国際映画祭で代表作『東京物語』が特別上映されるなど、国際的にも再注目の兆しだ。だがR25世代の場合、名前は知っているものの作品は観たことがないという人も多いはず。そこで生誕110年プロジェクトを展開中の松竹に小津映画の魅力について聞いてみた。

「小津映画の特徴として、説明的な要素を極限まで削ぎ落としたセリフと、端正な構図が挙げられます。“家族や人生”をテーマに人間心理をついた一言は、多くを語らない分、作品には観客が想像する“余白”が残されており、自分の境遇に照らして寄り添える魅力があります。また、考え抜かれて配置された人物や室内の構図は美しく、さりげなく梅原龍三郎や東山魁夷らの名画を背景に配するなど、監督独自の美学も評価されています」(プロジェクト担当)

“小津調”と呼ばれるローポジションからの撮影手法や、反復する独特のセリフ回しなど、完成された世界観は、日本はもちろん海外でも高い評価を獲得。その人気ぶりは、Sight&Sound誌(英国映画協会発行)が10年に一度発表する「映画監督が選ぶベスト映画」2012年度版で『東京物語』が1位に選出されたことでもうかがえる。キアロスタミやヴィム・ヴェンダース、侯 孝賢など名だたる映画監督や映画関係者に影響を与えた小津映画は、今や映画界だけでなく、年齢・性別を問わず世界中で愛されている。

「監督が描く家族や人々の関係が、国や時代の垣根を越え、多くの人々の共感を得るのでしょう。また、小津作品に登場する美しい女優たちを通して日本女性の奥ゆかしさに触れ、大和撫子への幻想を抱く…なんてこともあるのかもしれません」(同)

観る者の人生に寄り添い、そっと励ましてくれる小津ワールド。あなたもその奥の深さを体験してみてはいかが?
(足立美由紀)


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