7月には国立科学博物館で「深海」展も

「謎の深海生物」人気の兆し

2013.03.07 THU


今年1月、「しんかい6500」は世界一周航海「QUELLE2013」へ。インド洋、南大西洋などの深海を巡り、極限環境の生態系などを調査する 画像提供/海洋研究開発機構
今年1月、NHKがダイオウイカの泳ぐ姿を世界初公開。光り輝く巨大な姿にロマンを感じた人も多かっただろう。7月には国立科学博物館で「深海」展が予定されるなど、例年以上に深海生物に注目が集まりそう。ただ、どうしてもグロテスクな印象が…。

「それは誤解です! 耳のように見えるヒレがかわいいメンダコや、わずかな光を求めて黒目がつぶらになったエビスダイ、よちよちと海底を歩くセンジュナマコなど、意外と愛らしい生物も多いんですよ」

そう教えてくれたのは、50種類以上の深海生物を飼育する新江ノ島水族館の飼育員.北嶋円さん。

「深海生物は、日光が届かず、獲物が乏しい環境に適応すべく進化を遂げてきました。そのため、形状や生態はバラエティに富んでいますが、そのほとんどに共通するのが“省エネタイプ”であること。新年早々、鳥羽水族館のダイオウグソクムシが絶食5年目に突入して話題になりましたが、当館のものも半年ほど食べなかったことがあります」

さらに、生態の珍しさではまだまだ上がいる!

「海底には、“熱水噴出域”といって、硫化水素やメタンが300度近い熱水とともに湧き出るエリアがあります。この付近に暮らすゴエモンコシオリエビは、自分の胸毛で、餌となるバクテリアを“養殖”するのです」

このバクテリアは熱水に含まれるメタンなどを養分に育つ。ゴエモンコシオリエビは、熱水付近で胸毛に養分を送りこむ“お手入れ”をして、自らの餌を育てるのだ。

「こうしたバクテリアから始まる食物連鎖を“化学合成生態系”と呼びます。これは地球の生命の起源と考えられており、深海研究の中では最もホットな分野なんですよ」

ちなみに現在、海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」は世界一周の研究航海に出ている。今年は深海から目が離せない!?
(矢口絢葉+ノオト)


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