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高級ピアノメーカーが身売りへ

2013.07.02 TUE

「スタインウェイ」のブランドで知られる創業160年の名門高級ピアノメーカースタインウェイ ・ミュージカル・インスツルメンツは1日、プライベートエクイティ大手コールバーグに約4億3800万ドル(約436億円)で売却することで合意に達したと発表した。高級ブランドは非公開化によって、今後のさらなる世界的な競争力強化の道を選ぶことになった。

スタインウェイによると、1株あたりの買収額は35ドルで、最近90日間の終値平均の33%プレミアム付き。また、他社からの買収提案を45日間受け付けることも可能となっている。

マイケル・スウィーニー会長兼CEO(最高経営責任者)は「コールバーグとの契約は、スタインウェイの次の成長にとって重要なステップとなる。世界最高級の楽器を作るという使命を継続するように、われわれはこのパートナーシップを楽しみにしている」とコメントしている。

スタインウェイは創業160年を迎える名門で、価格帯では1000万円以上が普通のラインUPが中心だ。一般的にはヤマハなどの日本メーカーが知られるが、スタインウェイはプロにも愛好家が多く、また、富裕層の子弟の間でも選ばれてきたブランドでもある。

こうしたこともあって「スタインウェイのライバルはスタインウェイ」とも呼ばれるほどだ。1836年に創業者のヘンリー・スタインウェイが第一号機を制作して、会社規模が大きくなるにつれて常に、経営に悩まされてきたことも事実だ。

 二代目となってからは拠点をドイツから米NYに移し、米独の2カ所を制作拠点として、特色のあるピアノを作り、現在でも世界のピアノに大きな影響を残している。
ただ、経営基盤は安定しておらずCBSへの買収などを経て、現在のスタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツに至っている。

スタインウェイはドイツの工房で、職人が1年かけて1台を制作するといわれており、注文が入れば入るほど受け入れができないという厳しい状態が続き、現在の競争環境では戦いに勝ち抜くことは難しい。また、熟練工の不足も深刻で育成が急務だという。

そのため、現在の同社はマス層向けに低価格帯のボストン、エセックスというブランドも世界で手掛けており、こちらは経営の安定に寄与している。

2012年の売上高は3億5371万ドル、最終利益は1351万ドル、1株利益=1.09ドルとリーマンショック前の水準に戻っていた。

スタインウェイは今回の買収で非公開化することになるが、ブランド死守と経営の安定化の選択を選んだことになる。

同社は6月に、NYのシンボル的存在だったスタインウェイホールも4320万ドルで売却している。

記事提供元/YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)

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